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春のざわめきを前に

酔いまどろみキッチンにて、石油ストーブで温められた部屋で、それまでうずくまっていたヘリグロテントウノミハムシとキアシブトコバチが楽しそうに飛び回っているのを見て、まるで自分のようだと思った。

冬は基本的に調子が悪い。体中が冷えて肩は凝るし首は張るし目は重だるいし気持ちは落ち込みがちだし、「ああ早く春よ来い」と願うのは毎年のことだ。冬はどこへもいかず部屋の虫たちのようにただただうずくまっていたい。冬眠していたい。ここ最近坂口恭平も冬眠(鬱状態)から覚めて元気に動き回っているようだ。それに連鎖されるように循環する人たち。自分も含め。

自分のせいじゃない、決して自分のせいにしてはいけない。気圧だったり血行の巡りだったり、そういうものも多く関係していると思う。

調子が悪いと深呼吸をすること。そうすると細かい血管に血が行き渡る。そうすると少し調子が良くなる。そういうものだ。だから仕事で体動かしてる間は調子が戻る。しかし良くなりすぎると逆にいらいらしたりするんだけどね。

10年以上前に橋の下で暮らしてた時に知り合いから借りたミヒャエル・エンデの『モモ』を改めて買って今また読み始めてる。
「生きてる意味」を問う前に、まず目の前にふわふわ浮かんでるものを掴んでとりあえず生きてみる。気になるものは調べたりその場所に行って確かめたしする。他人の意見とか聞き入れすぎると苦しくなる(特に自分とは別のリズムを持った人の言葉)ので自分の呼吸、自分のリズムでふわふわを掴みに行く。それがその先どういう意味をもたらすのかなど今はわからない。でもそうして動いていく、ただそれだけの行為が自分を循環させていくのだからそうするしかないのだ。


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