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そうだ、自動車運転免許をとろう………

人生で悔いていることのひとつが自動車運転免許をとらなかったこと。とはいっても、悔やむ気持ちが生まれたのはごく最近になってから。

自分には車の運転は無理だと思っていた。
必要ないとも思っていた。

なにせ子供の頃から乗り物酔いが酷い。
カンが鈍い。
どんくさい。

なによりトラウマがありまして。

専門的に正しいかどうかはわからないけど、あえてこの言葉を使います。

小学生のときのこと。
通っていた公立の小学校は集団登校で、地域ごとの班単位で登校していた。班長になると1番先頭で下の学年のみんなを率いて行くことになる。6年生になって、学年が一番上だという理由で班長にさせられた。

班長になった私は朝が嫌で仕方なかった。登校途中で東方面から登校してくる班と合流するんだけど、その長い長い列の隙間にどうしても入れなかった。

要領がよい班長なら、班と班の僅かな間に自分がスッと入り込んで、あとの子たちはそれに続いた。入られちゃった班の子らがやいやい言うのはへっちゃらだ。

私はやいやい言われるのが怖かった。カンが鈍くてタイミングもつかめない。いつも班と班の間に充分な間隔が空くまで待っていた。

「はよ行けや」
「朝のドッチボールできへんやんか」
私は同じ班の下級生からだけでなく、後続の班の子たちからも野次られていた。

笑うなかれ、これが運転免許を早々に諦めた理由なのだ。

住まいは街ではないけど田舎じゃない。自分の足と自転車と公共交通機関でどこでも行けた。車に乗せてくれる人もいた。

そうだったけど、親が高齢になり、自分も歳をとり、歩きや電車での遠出がが面倒になり、運転ができたらいいなぁって思うことが増えた。自分が運転するときは酔わないっていうし。

運転できたら病院だけじゃなく、たっこちゃん(母のこと)が見たい季節の花の名所に連れていってあげられる。

自動車メーカーのテレビCMを見ていて、最新のテクノロジーが搭載された自動車なら、カンの鈍い私にも運転できるかもしれないって思った。

そうだ。免許をとろう。
鳥越俊太郎だって歳をとってから免許をとったやん。

若い子に混ざって平気か私?
覚えることが多いぞ?
……なんとかなる。たぶん。

免許をとってもすぐ返納を考えることになる。
………10年乗れたら万々歳。

お金は?
……どうにかなるだろう。

免許がとれたとして、車を買える?
……そのとき考えよう。

私は近くの教習所を調べた。フムフム、3ヶ所もあるぞ。サイトを見ながら
なにげに気になって
《鳥越俊太郎》《免許》で検索をかけてみた。

鳥越俊太郎42歳で運転免許習得

えっ。
若いやん。40代前半やん。50を過ぎた私は秒でやる気をなくしてしまった。

検索するとアラフィフで運転免許をとった方のブログもあるにはある。でもさっきまでの前向きな気持ちが失せてしまった。

ま、その程度の気持ちだったってことなんだけど。いま考えると、教習所で最新のテクノロジー搭載の車に乗れるわけじゃないよね。

でも、鳥越俊太郎が免許をとったのが50歳だったなら、今ごろ私は教習所に通っていたかもしれない。

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