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たっこちゃん、齢ほぼ80歳 #21 齢ほぼ80歳に保険のおはなしはいらない

先日保険の営業の電話がかかってきた。
たっこちゃんを被保険者にしたもので、認知症と診断されたらまとまった金額が支払われるというものだ。

ふむふむと聞いていたら、電話の向こうの男性はたっこちゃんに変わってくれという。
「先日お話させてもらっていたら途中で切れてしまって・・・」という。
さっきクリニックから帰宅したところで、疲れているようだと説明して丁寧に電話を切った。

実を言うと、たっこちゃんは疲れてなどいなかった。大事な中国ドラマが始まる時間で、目が「電話には出ない」と語っていた。

それはさておき、話の途中で切るなんて失礼をしたなんて信じられないはなしだ。

なぜならずっと、私のセールス電話への対応に「愛想なし」だの「冷たい」だの「私はそんなこと(どんなこと?)ようせーへん」だのあきれたり、非難していた人だから。

本当に途中で切ったのかと尋ねたら
「そうやで」
「めんどくさくて切ったった」
としゃーしゃーという。

それを聞いてえぇっと驚いたけど、考えてもみればそりゃそうか。


齢ほぼ80歳にもなって、長々とややこしい保険の話なんて苦痛だったかもしれない。
しかも早口だ。
ふつうの声で話されたら、少し遠くなった耳には聞きづらい。


てか、そもそも普段からたっこちゃんは聞き違いが多いのだ。

「時給千円」は「九千円」に聞こえるし、
「グルーガン」は「ボーガン」、
「サーターアンダギー」は「ターターアンダーサー」、
「鯨の竜田揚げ」はなぜか「鯨のカスタード」に聞こえてしまうんだもん。

齢ほぼ80歳に電話で保険の提案・勧誘はしないでおくれ。保険に限らず、「いま、◯分くらいお時間いいですか」と聞いてあげてください。

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