たっこちゃん、齢ほぼ80歳 #31 路線バスは難しい
原付バイクに乗らなくなってから、路線バスを利用するようになったたっこちゃん。バスの利用はほぼ初心者で、最初のうち何度も付き添ったけど、まだ慣れない。
隣町の病院に行くための隣町の市バスは前から乗って後ろから降りる市内均一運賃。
我が町を走る私バスは後ろから乗って前から降りるタイプで運賃は距離で変わる。現金払いなら乗車時に整理券だってとらなきゃなんない。
定期的に通院している眼科のそばのバス停なんて、市バスと私バス、加えて全く利用しない、乗ってしまったらえらい南の街まで連れていかれる私バスも停まる。
3社×上り下り(って言い方が正しいのか?)=6種類が停まるわけだ。
自分の立ち位置の前に停まったらどのバスか確かめもせず、とにかく乗りこもうとする。
回送のバスが通り過ぎたら、自分に気づかず行ってしまったと思い慌てる。
バスの色が違うやん。
バス会社の名前も書いてあるやん。
行き先も表示してあるやん。
出口入口書いてあるやん。
バスは時刻通りに来ないもんやん。
うちの齢ほぼ80歳には馬の耳に念仏。
間違えて違うバスに乗っても遅刻するだけやん。
間違えて遠くに行ってしまったら、タクシーで帰ってくるだろう。
そう思いはするものの、齢ほぼ80歳の娘は心配でならない。
で、ここらへんたくさんのノンステップバスが走っている。乗降口の段差を無くして、高齢者も車椅子利用者も誰もが乗り降りしやすいノンステップバス。
こんなに優しいノンステップバスだけと、場合によっては、というか、運転手の腕によっては乗り降りするのが難しい。
バスの床面が低く道路から約30センチとはいえ、バス停にうまくつけてくれないと、歩道の縁石を跨いで乗らなくてはいけなかったり、バスと歩道の間が空き過ぎで、脚が悪く背が低い(足が短い)たっこちゃんの股は避けそうやわ、着地したとたん転けそうになったり。
運転手がバス停で歩道になるべく近づけて、うまくつけてくれたものなら
「この人上手いな」
「名前見とき」
「見てどうするん?」
「会社に電話して誉めるねん」
「わたしせーへんで。自分でしいや?」
「いやや」
感謝の電話もかけなければ手紙も送らないけど、たっこちゃんにとってはそれほどありがたいってことです。
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