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リスクを管理する

過去、何度も繰り返し同じミスをしたことがあります。そのたびに解決策を講じるのですが、いま思えば、実は技術的課題のような「ミスをしないようにする」程度の解決策のであったのでは・・・と。
どれだけ気をつけても、ヒトなのでミスはある。仕事でのミスは、そのままリスクに繋がる。

ハインリッヒの法則 1:29:300

1件の重大事故の背後には、重大事故に至らなかった29件の軽微な事故が隠れており、さらにその背後には事故寸前だった300件の異常、いわゆるヒヤリハット(ヒヤリとしたりハッとしたりする危険な状態)が隠れているというもの。

何故か、子どもの頃からこの「ハインリッヒの法則」という言葉を家族との会話の中で耳にすることが多く、知らず知らずのうちに覚えていた。
最近では、この言葉、どちらかというと作業を伴うもので使われることが多いけど、実は事務系の仕事でも同じことが言えるのではと思っている。

軽微なミスが増えていく・・・その数が増えている・・・
もしかしたら、何か見えない問題を抱えていて、実は「あ!」ということが増えているのに、周囲が気がつかず、気がついた時には大事故が起きてしまった。
車の運転とかでもよくある、「いつものコト(=ルーティン)」で見落としてしまうことも、もしかしたらこの「ヒヤリ」がいつの間にか蓄積して「慣れ」を産んだ結果、大事故に繋がっている気がしてならない。

我が家での合言葉「KY」

空気(K)読めない(Y)・・?
ではなく、危険(KIKEN)・予知(YOCHI)の頭文字。
実際、KYTという「災害に繋がる危険を探し出して対策を行う能力を高めるために考案・実施されている訓練」がある。
この危険があるということを忘れ、無意識に危険な行為をとってしまうことがある。
例えば、流しに包丁を出しっぱなしにしてしまう・・とか。
後で、洗うからいいやって思ってつい、置いとくと、後で忘れて手を切ってしまう可能性がある。
「危険要因を発見し解決する能力」って、生物だからありそうに思うけど、便利になったり、習慣化(=慢性化)することで能力が下がってしまう。
だからこそ、日常的に危険を予知する必要があり、そのための訓練(対策)が必要なんだと思う。

金融機関で学んだオペリスクマネジメント

金融機関に3年ほど勤務していた時に、初めて聞いたことばがこのオペリスクマネジメントという言葉。
正確には「オペレーショナルリスク・マネジメント」(金融機関や事業会社等が業務を行う際に発生するリスク)の管理のこと。
金融用語で、金融会社のホームページにも記載されている。

慣れない言葉となれない仕組みに翻弄されることもあったのですが、この考え方、金融機関だけに当てはまる仕組みではなく、すべての業務に繋がると思っている。

KYTと一緒で「ミスが絶対起こらない」ということはない。むしろ起きる。「起きるからこそ、未然の解決策、起きた場合の対策を講じる必要性がある」という、性悪説のような考えに基づいている。

「ミス」が発覚した時に、犯人探しとその「ミス」の内容を攻めることが多いなと感じています。でもこれって、すごく不毛なこと。
実は、誰でも起こす可能性がある「ミス」で、その「ミス」がなんで起きるのか、そもそも想定できる「ミス」なのかを知っていることが重要だと思っている。想定できるなら、解決策を考えることもできる。
単に「ミスをしないように管理(見張る)」ことは、解決にはならないと思っています。

新しい仕組みを導入する際に、オペリスクを洗い出すという作業がある。
これ、新しい作業に関わらず、今の業務も含めて「オペリスク」の洗い出しをした方がいいと思っています
できれば、担当者が自ら考えたリスクと他者が考えたリスクを比較して、リスクの共有したほうがいい。できるだけ多くのリスクを共有する。
リスクマネジメントの勉強って、一方的に教えられるケースが多い気がしますが実は、「自分で考える」が重要だと思う。過信しないためにも、まず起こしやすいヘマをなんで起こすのかから考えた方がいい。
今なら、まだ間に合うから。

最終的にはそれぞれのリスクが与える影響(ビジネス損失)を見える化して、管理していくことで現場による不毛な対策から抜け出していけるのでは?と思っています。






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