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母が突然始めた終活は解体作業だった

母は81歳。
体も頭もまだまだ元気。
そんな母から「船小屋、つぶす(壊す)ことにしたわ」と電話があった。
??
前日、会った時はそんなことひと言もなく、
一緒に行った息子夫婦は、その船小屋のそばで海の写真を撮っていた。

3年前に亡くなった父は漁師だった。
祖父の代から始めた漁業で、嫁いで来た母もずっと手伝っていた。
古びていて、もう乗る人もいない船が鎮座している船小屋。
このまま朽ち果てるのだろうと思っていたのに。

なんで突然と聞くと「両隣の人は小屋を壊して更地にしてしまったし、うちだけ残しておくのが嫌だから。
(※船小屋が建っているのは市町村の土地だったらしい)
自分が元気なうちに、○○さん(父の弟)に手伝ってもらっ
て始末したい」
母は普段あまり主張しない。
ただ、言い出したら聞かない。
「でもかなりお金かかるよ、たぶん100~200万いくんじゃない?」

父の遺したお金を使うから、迷惑はかけないから、
と母の意志は固い。

さっそく母は叔父を雇い(ちゃんと日当を払う約束なのだ)船小屋の整理を始めた。
少しでも処分してから解体業者に見積りしてもらうことで安くなるのだと。
山ほどある漁師の道具(発泡スチロールのトロ箱やら頑丈なロープやら大きな浮き?etc.)。
1階だけでなくロフトにあるものは、はしごを使って下ろしていく。
膨大な量の「ごもくず(ゴミのこと)」を2人で片づけ始めたらしい。

実家に帰るのは半日がかりなので、月に2回ほどしか帰っていない。
次回行ったら手伝わねば。

母の始めた終活(身の周りの処分)は、子どもに遺しても困るだけの大物の解体作業だったのだ。

(次回に続くかも?)

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