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3653日、脚本家のサガ

3月11日(木)

僕はシナリオライターですが、始めの一文字を書き出すまでが大変です。あーじゃない、こーじゃないっとノートにアイデアなり統計データを蓄積しています。

しかし、その工程を経て実際にWordを立ち上げ書き出すと、かなり書ける…? いやてか下準備が整わなくても、走り出したら意外に書けたりします(クオリティは度外視で…汗)。

僕は多産タイプの作家だと自負しています。今まで何十回も拙作を世に発表しては弾かれる、大学卒業して5年過ぎたあたりから、もう年数は数えていません。

「将来考えろよ。いい歳だろ」

一応、学生時代は「友だち」だと呼べた男の言葉です。でも僕は筆を折ることはしません。そのモチベーションの源泉は火を見るより明らかなのです。

ドラマや映画で人を笑顔にしたい、ときには泣かせたい。ほんの少しでいいから、心をくすぐるような、元気の出るお話を書きたい。いつか僕の紡ぐ物語で感極まってくれる人が必ずいるから。その人のために。手を握って僕を信じてくれた人たちのために。1つひとつの力強い気持ちが、果てなき譚を求める旅に駆り出させるからです。

何を戯言を。まさに夢に挫折する人間の常套句ではないか。そう言う人間もいます。今だに。

「動機が薄いよ」「時間もったいない」

だそうです。しかし僕の頭はシンプルだから。この世に不幸な人が、悲しみにうちしがれる人が1人でも減ってくれるなら、僕は喜んで時間を無駄にしてパソコンに向かいます。やれずにはいられないのです。空気を吸うように言の葉を紡ぐのが自然な行為になっています。僕にはそれしかできないのです。

3653日。当たり前の日常を愛しめる尊さを。

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