名前のわからないCDレンタル

21年1月30日（土）

もうずいぶん昔のことである。大学2年の頃だと記憶している。

その頃、なぜかアヴリル・ラヴィーンの「girlfriend」という曲にハマっていた。ハマっていたといっても、CD（当時は）も持っていないしiPodにも入っていなかった。ただ頭の中で「ヘイヘイ、ユーユー♪」と出だしのリズムがひたすらループしていたのだ。

そんなとき、夏の納涼祭実行委員会に所属していた僕は、イベント中に流すBGMを探す担当になった。すぐにアヴリルが脳裏に浮かんだ。

だが…肝心の曲名がわからない。歌手名も知らない。ひたすら「ヘイヘイ、ユーユー♪」が僕の脳内に木霊する。

当時はガラケーで容易にYouTubeも開けない…というか曲名がわからないのでどうしようも無い。TSUTAYAに着いた僕は、洋楽の女性歌手のそれっぽい人のCDを試聴してみることに…。なんせ曲の出だしはわかっている。1秒も聴けば楽勝だ。

が、見つからなかった。
これだけは避けたかったが、背に腹はかえられぬと店員さんに尋ねてみようとヘッドホンを置いた。でもどうやって聞く？決まっている。自前の「ヘイヘイ、ユーユー♪」を披露するしかない。恥ずかしすぎる。できれば男性に。素早く聴いて平然を装い、あくまで普通の態度で！と心に決めた。

前方に人の良さそうな男性がいる。ソッコーで聞いて借りて帰るぞ！

僕
「あの〜、すみません、、洋楽探してて。こういうのです。（小声）ヘイヘイ、ユーユー♪フニャフニャハーハン…♪」

男性
「すいません…俺、店の人じゃないです…」

ビシリッ…何かが割れる音がした。
そこから先はよく思い出せない。