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20年12月28日(月)「記事見出し①」

朝7時。たいてい寝起きでボヤけた頭の中でも、今日やるべき仕事の流れが整理されていくものだ。ただ、この日は真っ先に「猛牛」との面談が思考の海を席巻する。

「猛牛」とは僕が勤める会社の上司のことである。人の話の腰を折りご自分の主張で猛進されるので敬意を評して僕がそうお呼びしている。毎週月曜は「しんどいな」という感情とともに始まるのだ。

ベッドから起きてパジャマを脱ぎながらそんな不景気なことを考えていると、スマホから通知音が鳴った。早朝ニュースである。いくつかニュースアプリをダウンロードしているので、この時間帯に複数の媒体から朝配信があるのだ。これでだいたいのその日の話題を頭に入れてから自分の業務を開始する。

PCのスイッチを入れると同時に窓を開けて部屋の換気をする。いくらコロナ対策だからといってこの時期の早朝の空気は殺人的ですら感じてしまうものだ。PCが完全に起動する前にT-falのポッドに水を入れ沸騰を待つ。その足で玄関に届いている朝刊を取り上げてデスクに置いたら朝のルーティン行動は終了だ。

起動したPCからさらに業務に必要なソフトを立ち上げる。8時までに我が社から配信するニュースに関連する記事をピックしなくてはいけない。大まかなトピックは先ほど把握したニュースで理解しているので選定自体は困らない。問題はその見出しだ。いわゆる「釣り」と呼ばれる手法は絶対にしたくない。

業界人ならご理解いただけると思うが、読者の関心を惹くパワーワードとなる単語なり言い回しなりテクニックが存在する。だかそれによってつけられた記事見出しは、時として記事本文と噛み合っていないケースも多々あるのだ。PV至上主義なプラットフォーム環境ならば避けては通れない壁だろう。媒体によってはそれを是とするが僕は違う。

情熱大陸が僕を取材するなら、今まさにこの瞬間の僕の横顔をアップにして言うだろう。「新井の目が、変わった」

葉加瀬太郎氏のバイオリンの曲に合わせて僕のキーボードを叩く指、記事を精読する目の動き、そして無事に読者に正しい認識を提供して記事をクリックしてもらったという確信を得て漏れた安堵の表情がテレビ画面を踊るに違いないのだ。

ここまでで朝10時。さて…あと30分で「猛牛」との個人ミーティングである。今日報告する内容をもう一度見直してレポートの体裁を整える。在宅勤務だから部下の業務姿勢を把握できないというのは、全くもって不愉快な考えだ。私を信じろ。私は、プロフェッショナルな仕事人なのだから。ここでスガシカオ氏の「progress」が流れる。

「プロフェッショナルとは…」
続きはまた明日(`・ω・´)ノ

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