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smashing! このまんなかにきみ

夕べはけっこう遅くまで期間限定の配信を二人で見た。一体いつ落ちたのか覚えてないけど、目が覚めたら側に鬼丸は居なかった。暖房が付けてくれてある。ベッドから這い出て、とりあえずパンツ履いて、時計見たらもう昼近い。流石に腹が減ったのでキッチンへ向かう。

鬼丸と暮らし始めて、俺は食べることも呑むことも、もちろん他のいろんなことも、足らないとか淋しいとか感じたことは一度もない。冷蔵庫開けると、決まって俺の好物やよく使う食材、酒や何かがきっちりと積まれている。もちろん鬼丸の分も含まれているのだけど、俺のは取り出しやすいとこにちゃんと置いてくれている。
何でもそう。俺がそこに立って一番に手にする、そんなものもちゃんと用意されてて、着る物も履く物も俺の為に綺麗に手入れされ、俺が袖を通すのを行儀良く待っている。

自分の為に用意されたもので造り上げられた空間の真ん中、配信のリモコンとグラス持ってこっち見て笑ってる。俺のテリトリーの真ん中に居る。鬼丸はいつもそこに居る。

玄関から鍵を開ける音。今日もお前は俺の心の真ん中で、下駄履いてひょろっと立ってくれているんだ。



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