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smashing! おれのだいすきなもの

佐久間鬼丸獣医師と喜多村千弦動物看護士が働く佐久間イヌネコ病院。本日は日曜日。実にアウトドア日和の快晴。

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確かに無駄が多すぎるのは分かる。わざわざ車で出掛けて、広々した専用のとこ借りたりして、草多少生えてるからって地べただし。連れてきた犬のリイコのテンションはMAXみたいで、さっきから蝶追いかけ回してる。高く抜けるような空、美しい山並みを臨むこの場所はとても気に入ってる。

こないだ半額セールで買えたちょっといいテント。寝るとき鬼丸はコットの上で、俺はシート敷いてシュラフ。テントの側にはタープで屋根拵えて、そこにはアウトドアチェアだのキャンピングテーブルを。インスタントでいいのにって言うのをメスティンでご飯炊いて、チーズやナイフでスライスしたハム、クッカーの上のフライパンで焼いたのを添える。このへんは俺の憧れ。

小さな焚き火台の上の薪がパチパチ爆ぜ、鬼丸の顔が炎に映えてる。火を怖がらないリイコが近寄りたがるから、鬼丸が足の間に挟んでやってる。焚き火の前で呑むハイボールは絶品。なんだかんだ言っても鬼丸もリイコも凄く楽しそうだ。

デイキャンプよりはやっぱり泊まりがいい。ここのキャンプ場は簡易シャワーなんかも使える施設がある。交代で浴びに行って、また酒の封切って。今は虫除けのいいのがあって嬉しいね。どちらともなくチェアから、直敷きのシートの方に移動して並んで座る。
俺は暫くすると横になって鬼丸の膝の上に頭を乗っける。シート越しの地面の冷たさと、鬼丸の脚の温かさが気持ちいい。撫で回したい(×舐め回したい)のを我慢して大人しく色んな話をする。小さい頃のこと、パ…父さんのこと、通ってた塾のこと。鬼丸は相槌を打ちながら、時折俺の頭を軽く撫でたりしてる。鬼丸は聞き上手だな。そう言うと鬼丸は目を輝かせながら(多分)俺の話聞きたい?ってくるので、俺は強制的に鬼丸の膝の上という天国で、怖い話ていう地獄を味わわされるんだ。も慣れたけど。

いつのまにか足下で一緒に寝てるリイコ。呑んでも特に様子の変わらない鬼丸(怪談以外は)。俺は前門の虎、後門の狼に護られてる感がするな。あれ?それって次々と敵が現れるやつだっけ?…まいっか。なんだかんだ言っても俺はこの二人(?)と一緒に楽しみたくて、こんなとこまで来るし、怖い話も聞くし、人目忍んでは鬼丸に触れて唇を合わせながら。


結局は全部、俺が大好きなシチュエーション。




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