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日記という名の短編エッセイたち

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取るに足らない日常の出来事、なんて思うのは本人だけかもしれませぬ。
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「1年後」の魔法

完璧なルーティンを目指したい

今朝読んだネットニュースの中に、あるマンガ家さんがご自分の一日をエッセイマンガしていた。(元記事のURLをメモし忘れました・・・・・・) とても規則正しい。 例えばこんなふうだ。 午前4時に起きる。 コーヒーを淹れる。 マンガを書く。 体操をする。 マンガを書く。 散歩する。 マンガを書く。 ここで午前が終了。仕事は終わり。 午後はサウナに行って、就寝時間までゆっくり過ごす。 これらのルーティンは時間割のようになっていて、「何時に何をするか」が小学校の時間割みたいにきっちり

文化が継承されるということ

note友人の、み・カミーノさんがベトナムを旅した。身軽な一人旅で楽しそうだ。 それでしみじみ思い出されたことがある。 わたしはそれほど外国旅行の経験はないが、ベトナムには行ったことがある。10年以上前のことだ。仕事だったけれどスケジュールは厳しくなく、偉い人は別にいたので責任も軽かった。つまりまあ、割に気楽な出張であった。 その時フエを観光する機会に恵まれた。フエは南北に長いベトナムの真ん中へんにある古い街である。現地の若い方が案内してくださり、たぶん、グエン朝時代の

冬がはじまるよ

定期検診で病院に行ったあと、ふと思いついて大きな公園に行ってみた。 旭山記念公園。札幌市中央区にある。 よい天気だが寒い日だった。 時刻は昼過ぎなのに、たぶん7度か、もしかすると5度くらいだったかもしれない。ジャケットの上にウルトラライトダウンのロングコートを着てブーツで武装していたが、手袋がないと無理なくらい寒かった。 この公園は街の中だが山の中腹みたいなところに位置していて、札幌市内を一望することが出来る。 バスを利用しても中心部から30分強で着いてしまう。ちょっと

Happy Halloween Day 31

Happy Halloween! って実際に英語圏で使われている挨拶なのかな? 英語圏で暮らしている皆さんにぜひうかがいたい(コメント欄で教えて下さい)。 わたしは半世紀以上前にアメリカに住んでいた。しかし Happy Halloween と言った記憶があまりない。幼かったせいで挨拶言葉を知らなかったのか、それとも当時はそういう挨拶の仕方をあまりしなかったのか。 経験した1960年代のアメリカ東海岸の住宅街のハロウィンは、それなりに賑やかだけど町内会のイベントみたいな素朴

カフェが好きだ! Day 30

「カフェでまったり」が大好きだ。 趣味に「カフェめぐり」と書くくらいには。 カフェにはだいたいひとりで入る。 ひとり行動が圧倒的に多い人生なので必然的にそうなっちゃうのだけれど、人と一緒が苦手なわけではない。 初めての場所だと連れがいた方が入りやすい。けれどそうすると珈琲や紅茶の合間におしゃべりもしなくてはならず(それはそれで楽しい)、 「ポッカリと開いたひとりの時間と空間」 ではなくなる。 ひとりカフェと、連れカフェでは目的が違うのだ。 いろんなカフェがある。 木のぬ

旅したり、根を張ったりしながら暮らすこと

 「旅をするように暮らす」、「暮らすように旅をする」。こういうフレーズに憧れ続けて、もうずいぶんになります。 自分に向いていないかもしれない、と、うすうすは気づきつつ。  だって、ドロシーの言うとおり、わたしにとっては「おうちがいちばん」なんですもの。  上記のフレーズを実践している友だちがいます。実際に旅をしていたり、旅をするなら、現地の暮らしをなぞるように滞在してみたり。魅力あふれる人たちで、わたしは、もしかしたら、旅に憧れるという蓑を被って、彼女たちに憧れているのかも

感情が乏しい悩み Day 3

この毎日更新チャレンジを始めたのはもっと文章が上手くなりたいという動機……なんだけれど、その根っこにあるのは自分の感情をもっと豊かにしたい、という思いだ。 とにかく書こう、と始めたものの、3日目にして (それ、どうやったら??) と行き詰まりを感じている。 わたしは喜怒哀楽の幅が狭い。別の言い方をすると、感情の解像度が低い。 (と自分で思う) もっと若い頃はこんなんじゃなかったと思うのだけれど、いつの頃からか「すごーく有頂天になって喜ぶ」も、「悲しくてさめざめと泣く」こ

【日記】のようなもの、ふたたび

毎月、遠距離介護に来ている。 介護と言っても身体的な介助は必要なく、ご飯を作ったり掃除洗濯をしたりといった家政婦さん的な役割なので気は楽だ。 認知症がないので話も通じるし。 親は四捨五入すると100歳である。なんと! こうやって文字にしてみるとその事実にあらためて驚く。 本人も「なんで生きてるんだろうなあ。友人縁者もみな死んでしまった」と言う。配偶者も逝き、兄弟姉妹誰も残っていない。同期どころか10年、20年も後輩の人々が世を去って会えなくなっている。 長生きはおめでたい

【日記】退職してそれから

3月末に30年以上働いた職場を定年退職した。 本来ならば3月31日で仕事終了だったのだが、3月後半はこの間書いた「またかよ入院日記」の顛末で明け暮れており、心静かに皆さんにご挨拶をしたり片付けものをしたり、という状況ではなかった。とりあえず場所を空け、私物を怒濤のように処分し、息せき切って走るように入院してその後しばらくは寝たきりだった。 4月になってからも、退院はしたものの開腹手術の影響は大きく、「普通の生活」と言いながら半分病人のような養生を続けた。やっと以前のように

春から初夏へ

5月から6月にかけては北海道の花が最もにぎやかな季節です。 4月になるまでの、雪の白とあとは灰色か黒という水墨画みたいな世界から一斉に小さな緑が芽吹き、その後を追ってカラフルな花が咲き乱れます。桜はその中のひとつでしかなく。 数日前に花を求めてお散歩してきたので画像を貼っていきましょう。 満開の藤棚の下に立つと、頭の上がどこもかしこも薄紫の花で埋め尽くされていて圧倒されます。「絢爛」という言葉が似合います。 北海道では東京でよく見かける紫色の大きなツツジはあまりありませ

ホームベーカリーがすごかった

毎週末、移動販売のパン屋さんから買い溜めしている朝食用のパンを、今週は息子にあげてしまったので、週の初め早々に買い置きのパンが切れてしまいました。 翌日は白米にもち麦を足して、もち麦ごはんと味噌汁で朝ごはんにしましたが、パンがあるときは「白いご飯が食べたいな」と思うくせに、いざパンがないとなると、無性にパンの朝ごはんが食べたくなる、あまのじゃく。 スーパーに行けば、安くておいしいパンが売られていますが、ここは一つ、自分で焼いてみるのはどうだろうと思い立ち、納戸にしまい込んで

夜の読書タイム、はじめました

最近、夕食を食べたら、さっさとお風呂に入って、寝室にこもるようになりました。理由の一つは、訳あって朝5時半に起きているからです。 冬の間は、編み物をしながら、動画配信サービスや録りためたテレビドラマを見て、夜更かしして、朝はギリギリまで寝るという生活でした。 それが、早起きをするようになったので、睡眠時間を確保するために夜更かしできなくなりました。冬から春へと、いつしか季節も変わって、もこもこの毛糸に触れるのはちょっと暑いと感じるようになり、編み物もお休み中。 そこで、

初夏は夕暮れ

仕事帰りの午後7時。 西の空はオレンジ色のグラデーションを描く。五月半ばのこの季節は、田植えの時期で、あぜ道で小さく区切られた水田に、小さな稲の苗が整然と植えられている。 まだ苗が小さいので、田んぼの水面は、まるで湖面のよう。 その水面に、夕焼けが映って美しい。 ありきたりだけど、千年昔から変わらない自然の美しさには、何も敵わない。