シリアスプレイの本質は、現実世界の行動に役立てるための模擬訓練である
レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドを世界に普及させることに取り組んでいるマスタートレーナー協会が一般向けに公開しているビデオライブラリーがあり、シリーズ「LSP Glance」の5回目ではなぜ、レゴ®︎シリアスプレイ®︎と呼ばれるのか、ということについての解説がある(言語は英語だが、日本語字幕の表示も可)。
その中で強く印象づけられたのが「シリアスプレイ」の持つ意味のくだりである。火事に対応する「消火訓練」を例えとして引き出している。火災は起こってないけれど、生じた起こった時のことを真剣に想定して行動し、さまざまなケースも想定しながら、その中で単なる対応方法の取得を超えて、火災という事象の本質とは何かや、今の自分にできること・できないことについて理解を深めるのが、消火訓練である。
火災訓練で何よりも大事なのが、訓練を訓練で終わらせないことである。今回の訓練で何が分かって身についたのか、何ができなくて課題に残ったかをしっかりと確認する。そして、より大事なのが、今回の訓練では埋められない現実とのギャップにも目を向けさせることであろう。例えば消化器訓練をしたけど、実際に会社のどこに消化器が置いてあるのかわかっているのか、訓練に参加した人が会社にいない時に夜間に火災が起きたらどうするのか、時間が経ったら訓練したことも忘れてしまうのではないか、などなど。シリアスプレイとリアルとの間をしっかりと埋めることがあっての訓練だと考えた。
さて、私はレゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッド(に限らないが)で研修やワークをしたときに、そこでのことを普段の現実世界と丁寧に結びつけるような声かけや問いかけやプログラム設計ができているだろうか。今後は、そのような観点をより明確にもってプログラム設計とファシリテーションに臨みたい。
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