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マインドフルネスな要素を持った瞬間をレゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドはつくりだす

 「マインドフルネス」は瞑想と訳されることが多く、そこから目をつぶって座禅を組むイメージがつよいけれども、そのコンセプトにおいて重要なのは心のあり方で「周りで今、起きていることをあるがままに感じとらえる状態をつくりだすこと」である。

 「マインドフルネス」になることによって様々な効果があることについても、ずいぶんとエビデンスは積み重ねられているようだ。

マインドフルネスを実践すると、知覚、身体感覚、疼痛耐性、情動制御、内省、複雑な思考、そして自己意識に関わる脳部位に変化を生じさせることも、神経科学者たちは明らかにしている。

ハーバード・ビジネス・レビュー編集部. ハーバード・ビジネス・レビュー[EIシリーズ] マインドフルネスEI:エモーショナル・インテリジェンス・シリーズ (Japanese Edition) (Kindle の位置No.274-276). Kindle 版.

過去の行動をより多く思い出すことができます。創造性が豊かになります。チャンスを活かしやすくなります。リスクを事前に回避できます。他者を型にはめたりせず、相手を好意的に見られるようになり、相手からも好かれます。そしてカリスマ性が増します。また、自分がいましていることの根拠がはっきりするため、別のことができていないと罪悪感にさいなまれることがありません。泣く泣く何かを後回しにしたり、後悔したりしないで済みます。この仕事をする、この会社で働く、この商品を生み出す、この戦略を遂行する。自分が「いま、この瞬間」に向き合って、それを優先すると決めたのなら、後悔する理由はありません。

ハーバード・ビジネス・レビュー編集部. ハーバード・ビジネス・レビュー[EIシリーズ] マインドフルネスEI:エモーショナル・インテリジェンス・シリーズ (Japanese Edition) (Kindle の位置No.383-389). Kindle 版.

 レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドを使ったワークも、マインドフルネスが求める精神状態をつくりだすことに沿っている。

 まず第一に、メソッドでは、外部からの期待というストレスから自らを解放することを重視している。まず「作るときにはまず手を動かす」そして「話すときにはブロックのモデルをみる」ことを徹底させる。これを繰り返していくと、驚くほど素直に自分のことについてブロックに表現できるようになる。

 次に、先に言いたいことがあってそれを作品にするのではなく、手を動かして出てきた作品から「感じる」ことを重視している。ブロック表現という性質から、特に色や形が視覚を通じて入ってくる。
 私の個人的な経験では、ワークショップの中でも時間が許すときには、作品について話してもらうのとは別に、「作品を見て改めて感じることはありますか」と問いかけて考えてもらうといい効果がでることが多い。沈黙が目立つぐらい少し時間をとるのがポイントで、時間がたつと当初とは違う見え方がでてきたり、気持ちが湧き上がったりする。

 お題が自分の周りの状況を表現してもらうような場合に上記のような点に注意して進めることは、まさに、リラックスしてあるがままに自分の周りのことを(モデルから)感じると言う意味で、マインドフルネス的な体験をつくりだす。
 私が取り組んでいる定点観測でも、作品を作ってから眺める時間は結構とるようにしている。そうすると、時間とともに、いろいろな解釈や思いが湧き上がってくる。企業内研修などだと、ゆっくり時間はとれないことが多いが、研修内でやり方を教えて、定点観測をしてもらうのも良いのではないかと考えている。

5月15日時点の「現在の私」をつくる。
仕事の中の取り組みで3つの道が伸びてきている。
奥にはそろそろ向き合わなければならない課題が見える。
気分転換のための時間がとれていない。
何とかしようと旗を振る自分がいるがちょっと圧倒されかかっている様子が見える。
時間をかけてモデルを眺めていることで、やるべきことと心構えが整ってくる。

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