レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドを活用した「未来を旅するワークショップ」について(4)
2022年の1年間をかけて開発してきたレゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドを活用した「未来を旅するワークショップ」について、前回の記事では、「レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドを使って未来を考えるときに生じる特長」について書きました。
今回は「未来を旅するワークショップの構成」についてです。
ワークショップは大きく4つのステップから構成されています。
レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドの基本演習を行った後で、本格的なワークに入ります。
(1)今の自分を振り返る
(2)未来の社会を描く
(3)未来の社会の人の話を聞く
(4)もう一度今の自分を振り返る
の順番で進みます。
今の自分を振り返る
最初にまず今の自分について考えます。自分といっても様々な側面がありますので、「参加者が何のために未来を旅するのか」という視点から、特に注目する側面を決めるのがよいでしょう。
例えば、学生ならば「自分が今何を大学で学ぼうとしているか」とか「将来どのような働き方をしたいと考えているか」などがいいかもしれません。
また、ある企業で行うならば、「自社の強みは何か」とか「自社の事業が顧客に提供している価値は何か」などの問いが考えられます。
自分のことは、思ったより複雑でいろいろな角度から考える必要があります。そのようなときはレゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドを使ってモデルで表現し、お互いにモデルについて説明するとともに問いかけ合うことが効果を発揮します。
このステップをしっかりと踏んでおくことで旅が終わったときに、事前事後の変化をしっかりと見ることができるようになっています。
未来の社会を描く
今の自身についての整理が終わったら、いよいよ未来の社会を想像力を駆使して作り始めます。
とはいえ、ただ想像してもらうだけでは上手くいかないので手分けして、情報収集をしていきます。
幸い、最近では未来がどうなるかについての情報をまとめた本や冊子がたくさん出ているので、それを見てもらって社会(会社単位で参加しているなら業界にも集中して)を変えていきそうな情報をピックアップしてもらいます。
調べたらお互いに調査結果を共有します。
この部分は事前課題にすることもできますが、皆でした方が楽しくできます。
未来に関わる情報のうち、どの領域に着目するかですが、PEST(政策、経済、社会、技術)のフレームワークがなかなか役立ちます。
このうち、技術と社会(特に人口)が信頼性が高く、それに合わせて政策と経済が変化するので、まずは技術進歩と人口変化をしっかり押さえて貰うのがよいと経験上思います。
情報を集めただけではまだぼんやりとしているので、その情報をもとに未来の会社やサービスを考えたり、未来の社会の風俗や娯楽を考えてもらいます。このあたりはポジティブな側面を具体的に見ていく狙いで行います。
このぼんやりとした想像を見えるようにするのもレゴ®︎ブロックの特長で、参加者に繰り返し機会を与えて街並みや人々の姿を作って行きます。
社会にはいい面だけではなく、悪い面すなわち問題もつきものです。そうした側面も参加者に考えてもらい、これもブロックのモデルで表現してもらいます。
このとき、目の前に未来の会社やサービス、娯楽が見える化されているのが大切で、これにより未来の問題や社会のムードなども考えやすくなっています。
このようにして、社会全体の姿を作っていきます。
未来の人の話を聞く
社会全体の姿を作って見ただけでなく、そこに住む人々の話が聞けたら、さらに素晴らしい体験になります。
そこで次のステップでは参加者が未来の社会の人になりきってロールプレイ・インタビューをしてもらいます。
参加者がそれぞれ話を聞きたい人の基本属性(年齢、性別、職業、家族構成)を設定して、お互いに演じる役を振り分けます。
ここでもいきなり演じるのはハードルが高いのでインタビューの前の準備が重要です。
未来社会のモデルをみながら、その基本属性をもつ人がどのような価値観や悩みを持っているか想像してもらい、内面をレゴ®︎ブロックで作っていきます。レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドがここでも役に立ちます。
インタビューしながら、未来の社会の人の話を聞くうちに、参加者は変わっていくものと変わらないものについて、たくさんの考える材料を手にしていきます。
このステップの最後に未来の社会に適応し、大成功をしている自分もしくは自分の会社または業界を作ってもらいます。
ここでは、成功の理由をインタビューを含めたそれまでのワークでの体験に結びつけるのがポイントです。
もう一度今の自分を振り返る
最後のステップでもう一度、自分のことを説明したモデルに戻ってきます。
未来の旅を終えて、今の自分はどう見えるでしょうか。
このとき、最初に作ったモデルと未来の成功した姿のモデルを比較すると考えやすくなります。レゴ®︎ブロックで可視化されていることがここでも強みとして発揮されます。
ここで改めて、変わらないことは何か、変わっていかねばならないことは何かを整理するといいでしょう。
これで未来への旅は終わりとなります。
楽しく、意外性があり、学びも多い旅、みなさんもしてみませんか?
そのときには私もツアーコンダクターとしてお供しますので御用命ください!
(つづく)
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