レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドを活用した「未来を旅するワークショップ」について(3)
2022年の1年間をかけて開発してきたレゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドを活用した「未来を旅するワークショップ」について、前回の記事では、「未来を旅することの意味」について書きました。
今回はレゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドを使って未来を考えるときに生じる特長についてです。
レゴ®︎が私たちのイマジネーションを増幅する
みなさんが未来を考えようとするとき、どのようにそれをするでしょうか。
おそらく頭の中に未来の社会の一場面を想像しようとするのではないでしょうか。
そして困るのは、なかなか未来の社会の絵が浮かんでこないことではないでしょうか。
すごくシンプルにいえば、そのような困る時に、レゴ®︎ブロックを使って手を動かしていくと未来の建物や生活の様子を描きやすくなります。
また、多くの人にとって自分だけ想像を膨らませるには限界があります。そうすると自分だけでするよりも、他の人とイメージやアイデアを交換しながら未来の社会を想像していくほうが圧倒的に楽です。
レゴ®︎ブロックを使って自分の考えをモデルにすると、他の人とイメージやアイデアをとても共有しやすくなります。
アイデアが視覚化されているのでそれを見ていたり、他の人の説明を聞いているうちに新たなアイデアも湧きやすくなります。
つまり、レゴ®︎ブロックは私たちのイマジネーションを増幅してくれるのです。
新しいもの
レゴ®︎ブロックはイマジネーションを膨らませるために強力な道具ですが、それだけで未来を描くことが上手くいくわけではありません。
忘れてはならないのは、参加者に「未来」のことを考えていくための素材となる情報をしっかりと与えていくこととなります。未来に出てくることが確実視されているテクノロジーや人口構成の変化などの情報を頭の中に入れてもらうだけで、考えることがずいぶんちがいます。
世の中の移り変わりを考えてみると、新しいものが世の中に現れるとともに、それによって用無しとなったものが消えていきます。
未来に進むというのは何かを得て何かを捨てていくということなのかもしれません。
新しいものを入れて古いものと「置き換えていく」ということが、まさにブロックで表現していくことと相性がよいところでもあります。
レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドだから人々の心や生活感の変化も表現できる
また、世の中に新しいものが現れ、古いものが消えていくと、それにあわせて私たちの生活感覚が変わっていきます。
たとえば、自動車の登場によって馬車が無くなりました。
テレビゲームが現れて子供たちは家の中で遊ぶ時間が増えました。
SNSの登場によって、私たちは自分の考えを世界に対して簡単に発信できるようになりました。
未来を考えてもらうときには、ひとつ新しいものが入ってきたら、何が消えるのか、どのような変化が私たちの生活や心の中に生まれるのかについて注意を払いながら考えを積み上げてもらうことがポイントとなります。
この心の中の変化についてもレゴ®︎ブロックを使って表現してもらうようにします。
レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドを使えば、心の中の変化、価値観の変化も表現してもらうように参加者を導くことができます。
より未来の社会の姿のモデルに、単なるインフラや技術集積だけでなく、そこに暮らす人々の気持ちも表現で加わることで、よりこのワークが私たちにとって「自分にとって大切なこと」を発見するための旅になっていくわけです。
(つづく)
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