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『学習する組織』をレゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドの文脈で読む(22)第Ⅳ部 第16章「システム市民」 p494~

1人では解決できない

 この章では、私たちが直面する問題が一つの企業の枠を超えたものになっているという視点を前提として、私たち一人一人が「システム市民」として生きていく未来を説く内容となっている。

・気候変動問題
・エネルギー問題
・食料問題

 いずれも、一つの企業で解決できる問題ではない。しかし同時に、企業も変わらねば問題は絶対に解決しないものでもある。企業を中心にあらゆるセクターの関係者がお互いに協力していかねばならない。
 その協力関係のための共通言語ともいえるのが「システム思考」である。

 この「システム思考」をもとに考えるほかに、もうひとつ、大切なことがあるという。それは問題を実際に見る体験をするということである。

 食糧問題のケースでは、実際の生産や流通の現場を見ていくということである。そこから生まれる経験や情報が新たな視点への機会を切り開くのである。

 そうして、さまざまな立場の人々があつまって、新たな対話や問題解決のための活動を生み出していかねばならない。

 この活動は簡単に解決に至るものではなく、これからの人類が直面し続けていかねばならないものでもある。システム思考の難しさの一つは、その思考の実践を継続し続けることであるとさえいえる。

 また「システム思考」ができる人を増やしていかねばならない。そこで重要になるのが「教育」の領域である。センゲは、「教育」にこそイノベーションが必要であり、既存の教室中心・教師中心の教育モデルは全く役に立たないと痛烈に批判している。

 センゲは、システム思考がカリキュラムに織り込まれ、生徒と教師が学び手と助言者という関係になることを求める。

 そして子供たちは生まれながらにシステム思考家であるにもかかわらず、社会がそれを失わせているのだから、子どもの可能性を信じてシステム思考の教育をほどこすべきだという立場を示している。

レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドに何ができるか

 レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドには、システム的なモノの見方や表現を引き出す部分がある。何よりも、参加者によって創られるモデルがシステムなのである。レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドを繰り返し行っていく中で市システム的な思考や表現の経験は積みあがっていく。

 システム思考を広げていく一助となるためににも、レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドを通じて若い人たちに、大きな社会問題を様々なセクターの人々が手を取り合って解決していく感覚を身につけさせたい。

 そのためには、レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドを使ったワークをただ行うだけにとどまらず、社会問題の解決というテーマにも深くかかわるプログラムを開発していかねばならない。

 その一つとして、以下の記事のようなものも開発・実施しているが、「システム思考」に終わりがないように、このプログラムもさらに改良・発展させていきたい。

 


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