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レゴ®︎シリアスプレイ®︎で「考える力」を高めるワークを構想する②光と影ワーク

ワークの狙い

 今回、考えるワークは、ある物事の多面性に気づいてもらうことにある。この気づきがあることで、考えるときの「決めつけ」を回避し、多岐にわたる可能性を検討をする姿勢がつくことになる。同時に、ある情報には「解釈」を通じて「意味」が伴っているということに気づくとともに、人によっては違う「意味」があるかもしれないという態度を育てる。ひいては対人関係において相手を理解しようとし、参加者の中に寛容な心も育てるに違いない。
 レゴ®︎シリアスプレイ®︎で作る作品は、文字以上に感情的な表現を出しやすいため、対人関係に関わることや社会的な物事を対象にしたとき、より効果が上がる。また、後のワークのプロセスで紹介するように、良い面と悪い面との関係性を考えたりする
 社会的な活動を扱うときには、ロバート・マートンの「意図した結果」と「意図せざる結果」の関係を絡めて示す(解説の時かな)のも良いかと思います。

具体的なワークの進め方(構想)

 具体的なワークとしては以下の通り。
 人数は4〜6人でグループを組んで行う。
※以下、レゴ®︎シリアスプレイ®︎の進め方についての練習は行った上でのものとする。

(1)ファシリテーターが、考える対象と問いをなげる。
 「〇〇によって非常に良いことが起こっています。それはどんな良いことでしょうか。あなたなりに想像し、ブロックでどのような影響が誰にもしくは何に生じたのか表現してみてください。」
 ※この「〇〇」は何かの存在でも、出来事でもよい。ただし、参加者がある程度その対象について知っていなければならない。「象」や「台風」や「地域のお祭り」などであれば誰でも取り組みやすいだろうが、「量子コンピュータ」とか「重力波の検出」などのお題は取り組める人は限られるだろう。

(2)お互いに自分が作った作品についてストーリーを共有する。

(3)「〇〇」を象徴するもの(文字でも写真でも、ブロックで表現したものでもいい)をテーブルの中央に置き、参加者同士で位置関係を相談しながら、半円状に置いてもらう。グループで置き終わったら、どうしてそのような位置関係にしたのかについて説明してもらう。
 ※時間的に余裕があれば、繰り返し別のことを出させたり、良いことからさらにその先へ連鎖していく波及効果を考えさせるのもいい。
 ※時間がなければ省略もできる。

対象を象徴するものと作品の置き方のイメージ

(4)(3)の状態を保ったままで、ファシリテーターが次のような問いをなげる。
 「〇〇によって非常に悪いことが起こっていることがわかってきました。それはどんな悪いことでしょうか。あなたなりに想像し、ブロックでどのような影響が誰にもしくは何に生じたのか表現してみてください。」
 ※〇〇は(1)のときと同一である。

(5)お互いに自分が作った作品についてストーリーを共有する。

(6)参加者同士で位置関係を相談しながら、半円状に置いてもらう。グループで置き終わったら、どうしてそのような位置関係にしたのかについて説明してもらう。
 ※時間があれば、繰り返し悪い面について出させたり、悪い面がさらに悪いことを引き起こすという観点で作品を追加させることもできる。
 ※時間がなければ省略もできる。

光(良い面)と影(悪い面)が並んだ状態

(7)良い面と悪い面の作品の対応関係について参加者に考えさせ、作品の配置を見直してもらったり、作品同士を連結させて対応関係を可視化してもらう。
 ※時間がなければ省略もできる。

(8)これら一連のワークから、特にその対応関係から何が学べるかについて意見を出し合う。このとき、良い面だけ残して悪い面を根絶することができるか、良い面だけに目を向けるときや悪い面だけに目を向けるときはどんなときか、などについて参加者同士で意見交換をしてもらうと、物事の二面性やそれに向き合う態度について学びが出てくると思われる。

最後に、このワークは構想なので実際に試してはいません。試したら別途レポートしてみたいと思います(試してみたのフィードバックも大歓迎です)。

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