書籍「石仏 冬の号 number2」について

 北海道大学石仏研究会 というサークルが文学フリマ京都に来て無料で配っていた冊子、これがタイトルにある「石仏 冬の号 number2」である。
 まず、感謝を述べたい、こんな良書を無料で下すってありがとうございます、と。しっかり資料を用意して書いているのが分かる細さと裏の取り方。石仏とは言いつつ今回は要約すると「北海道の信仰概要」「北海道の赤岩龍神信仰」「砂箱マニア」という3章構成である。
 概要は北海道の中でも特に本土の人間との関わりが深かった札幌周辺の信仰は混ざりに混ざったものであるという話。
 龍神信仰は龍神信仰の起源とその起源を後押しする時代背景の話。
 砂箱の話は前の2章と全く関係ない北海道の砂箱と呼ばれる凍った路面の滑り止めになる砂を入れる箱についての調査の話。

 特に龍神信仰の話は面白かった。信仰が形成されていく経過が書かれており近代の信仰の変化を考えるのに良い教材となるだろう。現在では風水の考え方で気そのものとされる龍神が実は霧霞のメタファーになっていたという現在と違う認識やそもそもアイヌの神と本土の神の違いなどが資料を尽くして説明がなされている

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