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USJの事故から人生の下り坂を想像してみた。今できることはなんだろう。

【煽るつもりはありませんが、心の弱っている時に読むのはお控えください。元気な時に備えるといいんじゃないかと感じたことを個人的な視点から書いています】


ガタン、ゴトン。ガタン、ゴトン。カタカタカタカターーー。


ジェットコースターの車体が、急勾配のレールをのぼっていく。

ひんやりとした風が頬をなでる。バーを握る手にはじんわりと汗がにじむ。

少しずつ空が近くなっていく。下を見る余裕などサラサラない。

ずっと続いていたレールが目の前から消えた。


空に向かっていた車体が、ゆっくりとはるか下の地面に鼻先を向けていく。

重力で一列ずつお客さんが手前のバーに押しつけられていく。

最後の車両が頂上を越えたと思ったら、次の瞬間、一気に加速して


急降下!!!



・・・・するはずが、なんと「ガタン!!」と大きな音を立てて止まってしまった。


上空に取り残された35人。

シーンと静まり返る車内。顔を見合わせる乗客。



ジェットコースターが止まった


この動画を見るだけで心の臓がキュウっと縮んでしまいます。

きっと乗っていた人たちも、こんなことが起こるとは予想していなかったと思います。


記事によると、USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)を含む地域で停電があったようです。USJではアトラクションがすべて停止してしまいました。

「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド~バックドロップ~」と呼ばれるアトラクションは、35人の客を乗せたまま、コース上の最も高い位置で止まったということです。

USJのホームページによりますと、このアトラクションは定員36人、所要時間はおよそ3分で、最高到達点43メートルからの急激な落下や宙返りなどを特徴としています。

(中略)

停電の発生からおよそ1時間後の午後1時40分ごろ、NHKのヘリコプターが撮影した映像では乗客たちが係員からヘルメットを受け取り、その後、縦一列になって階段を降りる様子が確認できました。

(上記のNHKニュース記事より一部引用)



「コース上の最も高い位置」ということは、地上から43メートルのところで止まってしまったんですね。

この43メートルって、どれくらいでしょうか?


こちらのブログによると、一般的な中層マンションは45メートルのようです。

1階あたりの高さに少々違いがあるようですが、43メートルはだいたいマンションの13階か14階ぐらい。そんな場所に不安定な状態でいなきゃいけない。身体を守ってくれるような囲いすらない。

高所恐怖症の私は想像しただけで足がふるえてきます。



安全だから楽しめるスリル

ジェットコースターは、スリルを味わう乗り物です。

ぐるんと一回転したり、高いところから猛スピードで下降。カーブを曲がるときも減速なしで身体が持っていかれそうになる。


恐れと快感の二重奏。


でも、それは人工的につくられたスリルですよね。もとの場所に必ず戻ってこれる。命の危険がないように綿密に設計された『安全な』スリル。


それが思いもかけず一番高いところで止まってしまったら、とたんに先の分からない『恐怖』に変わってしまう。


そこにどどまるのも怖い。

かといって、下へ降りるのも怖い。

突然また動き出すのも怖い。


原因の分からないことに巻き込まれている、という状況。乗客たちは生きた心地がしなかったのではないでしょうか。




『ここからは下り坂です』は、ないのが人生

ジェットコースターはスリルがある乗り物です。でも、毎回のコースは決まっています。ちがう場所だったとしても、ジェットコースターといえばまあ、だいたい同じような動きをします。

ゆっくりと昇っていく先には急降下の坂がある。そんな風に想像しやすく、心の準備をすることもできるもの。


でも、人生という道には

『ここからは下り坂です』

とハッキリと示すような看板は、ほぼ立っていません。

平坦な道ばかりではない人生。いつ『下り坂』に行くのか自分も他の人も分からない。気がついたら急降下していた!とか、あれ?坂を降りてる?って思った時には、もう戻れないとか、ありますよね。

あと、坂って勢いついてると急に止まるの、むずかしくないですか。そのまま平らなところまで一気に降りていくか、無理矢理とまって足を痛めるかという2択のような気がします。

それか、USJの事故のように、とつぜん前にも後ろにも進めなくなってしまったら。こんなところで止まりたくないという状況に陥ったら。


したくない想像ですが、人生にはネガティブなことも起こります。アップダウンは多少なりともあるでしょう。

とはいえ、ずっと不安を抱えながら毎日を過ごすのはツラい。

ただ、「いつ起こるか」は分からなくても、「いつかのために」準備をしておくことはできると思います。


転ばぬ先の杖

山登りでは長い棒や登山ストックがあると登るのも下るのも楽です。

人生も同じ。サポートになるモノや人。

もしも人生坂を降りることが避けられないのなら、できる限り降りやすくしておきたい。

例えば、気分が落ち込んでしまうような時。少し気持ちを上げるものがあるとズブズブに思考の沼へ沈んでいかずに済むかもしれない。

ほっとひと息つけるものや「今ここ」に自分を戻すことができるものを、まとめておくのも一つの手です。私は救急箱のように箱に入れています。

中身は

・アロマオイル
・なめらかな手触りの石
・ハンドクリーム
・ペンと小さなノート
・ハーブティー

ここにオルゴールやアイマスクなど五感を刺激するものや、頭の中をスッキリできるものを少しずつ足していきたいと思っているところです。


なんでもないようなことを話せる家族や友人。相談できるカウンセラーやコーチなど、困難に向き合うサポートになる人間関係を築いておくのもいいですよね。

何かあった時の「駆け込み寺」や「頼れる先」があると分かっているだけで、気持ち的に安心できます。自戒をこめてつけ加えますが、極端に依存するのとは違います。

なんの見返りも期待せずSOSに応じてくれる人がいるとしたら、その関係ぜひ大切にしたいものです。


パニックになってしまった時はどうでしょう。

ジェットコースターが一番高いところで止まってしまった時なんかは、頭が真っ白になってしまいそうです。そうなったら、論理的に考えることも解決策を思い浮かべることもできない気がします。


そんな時は、まず心を落ち着けるのが良さそうですよね。


ただ、それは机に座って考えている今だから、言えること。その場でいざやろうとしても頭に浮かばなかったり、やり方が分からない、ということは往々にしてあります。

だから、毎日の暮らしの中で少しずつ習慣化していくことが大事なんだろうな。いざという時に、自然に動けるように。無意識のうちにできるように。


こちらのnoteにも書きましたが、まずは一回の深呼吸から習慣にしたいです。



絶対はない。

楽しいはずの遊園地。今回のことがトラウマになってないといいですね。それにしても乗客のみなさんが全員、無事でよかった。


どんなに用意周到に計画していたとしても、思いがけないハプニングが起こる可能性はあります。

なにごとも絶対に安全、100%大丈夫とは言い切れません。だから、今できることを考えて行動していきたい。

USJのニュースを知って、そんなことを感じました。


安心して人生というアトラクションを楽しめるように。

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