残りのコーチ人生

私は母校でサッカー部のコーチをしている。就任から3年目を迎えて、次の選手権予選でチームが負けたら退任することとなっている。
大学4年の10月に部を引退してから、私はサッカーと離れる選択ができなかった。小学生から続けてきたサッカーは私に対して大きな贈り物をくれた。そして最後は自分の所属したチームに恩返しがしたいと思いコーチになった。

別にこれからサッカーのコーチとして飯を食っていこうなんて考えてなく、ただ純粋に母校のために何かできることしたいという想いだった。

では私が選手(生徒)たちに一番伝えたかったことは何なのか。それは2つある。

1つ目はサッカーはミスが必ず起こるということ。ミスを恐れるのではなく、ミスをした後にそのミスをどうするか。ミスを成功することに生かせるか、そのミスをリカバリーするために次のプレーに取り組んだか。ミスの使い方について厳しくいってきた。
これはサッカーだけでなく、人生も一緒だと思っている。僕の経験からも言えることだ。きっと僕もこの先仕事でミスをするだろう。でも大事なのはそのあと。自分次第でそのミスを変えられる。そう思って日々生きている。

2つ目は準備の大切さ。僕は準備が試合の勝敗の8割を決めると思っている。この準備とは日々の練習であり、練習以外の時間の過ごし方。試合までの全ての行動だと思っている。
100%の準備と100%のモチベーションがあればできないことはないと思っている。もしできなかったらどちらかが足りなかったということ。人生も同じだと思う。うまくいかない原因はこの2つのどちらか。
サッカーの場合は前日までにできる準備は日々の練習と食事、スカウティング、ミーティング等である。この準備が足りないと試合で発揮する能力が下がる。準備が足りないから当日能力を発揮できないと思う。

選手たちにはこの前このように伝えた。
「次の大会で僕は退任する。どこで負けようと僕には関係ない。」
って言ったら選手からは
「冷たいな!!!」
って言われた。ま、そりゃそうだよね(笑)

続いてこういった。
「だって勝つことはもちろん僕にとっては嬉しいし、僕も君たちを勝たせるために全力を尽くす。でも、僕はプレーしない。プレーするのは君たちなのだから。だから勝とうが負けようが関係ない。どちらにしてもその実績は君たちのものだから。」

「関係ない」の言葉の真意はどのような実績を残せたとしてもそれは選手の実績であり、僕の実績ではない。あくまで選手のために部はあるし、僕はその部を勝たせるためのツールでしかないと思っている。

でも、人一倍チームが勝ってほしいと思っている。プレーしたくてもできない人間がここにいるからね。

コーチを退任したら僕はもう一度自分がプレーしたいと思っている。どこかの社会人チームに入ろうと思っている。やっぱ自分でプレーする方が楽しそうだ。

でも、もしこの大会でベスト4ぐらいまで行ってどこからオファーが来たらコーチの続きをやるかもね(笑)

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