小説 Life with cat 3
「・・・ニャ、ニャー・・」
昨日の雨が嘘のように天気は快晴。カーテンの隙間から漏れる眩しい光と音に視覚と聴覚に刺激を与えられゆっくりと覚醒していく。
「・・・うう、なんだ朝から猫の鳴き声がするな、、」
数時間閉じていた瞼をゆっくりと開き腹にいる塊に見つめ、同時に重みを感じることに気付いた。
「なんで猫が腹の上に座っているんだ、そうか昨日拾ったんだった。」
猫はグルグルと音を立てながらこちらをじっと見つめている。手の伸ばし頭を撫でてやるとより一層と音が大きくなる
「・・・かわいいな、久しぶりに動物に触れた気がする。そうだ食べ物をあげないとな。」
ゆっくりと体を起こそうとするとそれを感じたのか、腹から降り床で毛繕いを始める。
「猫は何を食べるんだろう。といってもこれくらいしかないな」
冷蔵庫の中からウインナーを取り出し、小さくちぎり皿にのせ置いてみる。
さっきまで熱心に毛繕いを行っていたが皿に近づき、入念にウインナーのにおいを嗅いでからそれを勢いよく食べている。
「・・・良かった食べれるみたいだ。俺も準備しないと。」
洗面台へ行き寝癖を直し、スーツに着替え前もって買っていたパンを頬張りながら、横目で猫を観察する。
ウインナーを食べ終え近くのタオルケットに移動し再び毛繕いを始めている。
「人懐っこい猫だな、とりあえず会社に行かないと窓を開けておけば勝手に出ていくだろう。」
そう考え小さな小窓を開け、時計を確認しあまりゆっくりしていられないことに気づく。
「ここから外へ出ていいからな。外でも元気で頑張れよ。いってきます。」
こちらの声に反応した猫に軽く挨拶を済ませ、靴を履き会社へ向かう。
クロスバイクに跨りイヤホンをつけ洋楽をかける普段通りの行動も気分は明るい。
エネルギーをくれた猫に感謝しながら、軽く感じるペダルを踏む。
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