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〆切れるのか?!

仕事が進まない。
正確に言えば、集中力がどこかに出かけて戻ってこない。

仕事はしているのだけど、仕事が進まない。
正確に言えば、思考が拡散するばかりで、収束しない。

漠とした少し先の〆切はあるのだが、目の前の〆切は設定されていない仕事。このままだと一向にはかどりそうにないので、ある手段に出ることにした。直近の〆切を設けるのだ。

自分の中だけで勝手に決めた〆切は、元来なまけものの私には効かない。きっと、あれこれ自分を正当化するいいわけをつくって〆切を延期するに違いない。私に効く〆切は何か、それはクライアントさんとの打合せの日時を決めることだ。考えたことをクライアントさんに披露する日時を決めるのだ!そうすれば、おのずとお尻に火がつき、集中力が旅をしているなんて悠長なことはいっていられなくなる。

だけども、いきなり今週というわけにはいかない。自分の首を締めることになる。というわけで、来週のどこかで打合せをさせて欲しいとクライアントさんにメールを打った。すると即座に返答が。「来週の月曜日の午後はいかがでしょうか」

「ひえぇ、日時が決まってしまったぞ。どうする自分。作業のめどは立ってないぞ。あわてるな自分」 と、あたふたする自分が頭の中で叫ぶ。
「だいじょうぶ、だいじょうぶ、〆切が決まったからには、かならず何か作りだせるから」 と、もう一人の自分がなだめる。あわてない、あわてない、一休み、一休み。。。

まぁ、いいか。〆切は決まったのだから、これで集中力も思考も働き、提案する内容もかたまってくるだろう。ふふん。と鼻息荒くなった。 〆切が私を強くする! 〆切は創造の源だ! 〆切があるから仕事ができる! なんだか根拠のない自信みたいなものが湧いてきたぞ。これはきっとうまくいく!

そう思った次の瞬間、思い出してしまった。
左右社さんの『〆切本』という本のことを。

左右社さんの『〆切本』

「どうしても書けぬ」 本の表紙に書かれた言葉。 

世の中、〆切にもがいている人はたくさんいる。
あの文豪もこの文豪も〆切までに書けなくて言い訳してるではないか。ましてやこの凡人な私が〆切に遅れることくらいありえることだ。〆切がなんだ! 〆切にとらわれず楽しんで考えよう。なんだかへんな勇気がわいてきたなうである。

はなして私は〆切を守ることができるのだろうかっ?!

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