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カンヌライオンズ2022 速報 - クリエイティブ・データ、クリエイティブB2B部門

カンヌライオンズ2022、4日目は
・ソーシャル&インフルエンサー
・ダイレクト
・PR
・メディア
・クリエイティブ・データ
・クリエイティブB2B
の6部門の受賞事例が発表された。

この記事では
・クリエイティブ・データ
・クリエイティブB2B
のグランプリを簡単にまとめておく。


WeCapital「Data Tienda」

クリエイティブ・データ部門グランプリ
Agency:DDB Mexico

クリエイティブ・データ部門は、メキシコにおける低所得の女性の金融に関するインクルージョンを促進するWeCapitalによる「Data Tienda」がグランプリを受賞した。

メキシコでは、融資を受けられないために教育を受けたり起業することができない低所得の女性が何百万人もいるという。
彼女たちの83%は、その支払行動を確認できるような銀行との支払履歴がなく、そのためにローン申請が却下されてしまう。

しかし、彼女たちはずっと近隣の商店から融資を受けてきており、金融機関に登録されていないだけで全国の何千もの商店の会計記録には長いクレジットの履歴が存在していたのだった。

「Data Tienda」は銀行が利用できる金融情報センターであり、何百万人ものメキシコの女性のクレジット履歴を近隣店舗の会計記録から回復させるものである。

ユーザーは「Data Tienda」のサイトで、プラットフォーム上にある5つ以上の信頼できる店舗を選択するだけでよい。

すると「Data Tienda」のシステムは、チャットボットを通じて店主から「そのユーザーにどれくらいの期間融資しているか」「いくら融資しているか」といった定性的および定量的な情報を収集し、従来の情報システムよりも多くの変数を分析した信用スコアを生成する。

銀行は「Data Tienda」によって、女性たちの支払行動をチェックし、低リスクのマージンで融資することができる。

「Data Tienda」はメキシコ全国5万店の店主からデータを収集し、10300件の信用履歴を生成。この結果、女性たちの23%が、事業を行うための小規模融資を受け取った。


Sherwin-Williams Coil Coatings「Speaking in Color」

クリエイティブB2B部門グランプリ
Agency:Wunderman Thompson Minneapolis

今年新設されたクリエイティブB2B部門は「ビジネスのためにプロが購入する商品やサービスの施策におけるゲームチェンジングなクリエイティビティや効果を称える部門」と定義されている。

The Creative B2B Lions celebrate game-changing creativity and effectiveness in work for products and services that are purchased by professionals on behalf of businesses.

その最初のグランプリは、建築用の塗料やコーティング剤の製造販売を行うSherwin-Williams Coil Coatingsによる「Speaking in Color」が受賞。

これは、人間のインスピレーションに基づいて色を生成する、音声で作動するAIカラーシステムである。
たとえば「澄んだカリブ海の水」と言えば、何百万もの画像が検索アルゴリズムで分析され、光学認識技術によってカスタムされたカラーパレットが生成される。
さらに「もう少し明るい色に」 「もう少し青い色に混ぜて」 などと言うことで、AIが直感的に微調整を行う。

建築家にとって、色は都市の雰囲気を変え、感情を呼び起こし、建物の特徴を作り出すものである。
だからこそ、カラーコーティングの世界的リーダーであるSherwin-Williamsは、完璧な色を可能な限り直感的に見つけることを目指しているのだという。

「Speaking in Color」は、使用するたびに世界最大の色のデータセットを生み出している。
その結果、Sherwin-Williamsは個々の色における世界的、文化的、地理的な影響に関する洞察を得ることができ、カラーマッピングやトレンドの予測、そして私たちの生活において色が果たす役割を理解する上で有利な立場に立つことになる。


その他の部門

残りの
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のグランプリについてはこちら。



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