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世界的なヴィーガン志向の流れはコスメブランドにも広がっています。


食生活で動物由来の成分が含まれる食物を食べない完全菜食主義のことを指すヴィーガン。
ヴィーガンのブームが日本でも拡がりをみせていますが、今やヴィーガン志向は食だけにとどまらず様々なジャンルに商品に広がっています。その中の一つ、コスメにもヴィーガンの波が急速に押し寄せています。

ヴィーガンとは健康や宗教の問題だけではない

日本では未だにヴィーガンを選択する理由は、アレルギーやダイエットなどの健康上の理由か宗教上の理由だと思われがちですが、世界的なヴィーガン志向はもっと社会的なものであることが多いのです。
具体的には、動物愛護と自然保護などの環境問題が大きな部分を占めています。たとえば、自然保護の視点ならば、食肉用の動物を飼育するために必要な飼料栽培が森林破壊や二酸化炭素の放出を拡大させていると考えられます。少々極端ですが、ハンバーガーを作るのに農地が必要でありそのために森林が削られ、育てられた家畜からは酸性雨の原因となるアンモニアも排出される。つまり、ハンバーガーを食べることが環境破壊へ繋がるという考え方です。


このようなヴィーガン志向は、エコロジー、サスティナブルなどの志向から食以外にも存在します。その中で近年注目度が上がっているのがビーガン対応したコスメです。

ヴィーガンコスメとは。

ヴィーガンコスメは、動物由来の成分や製造過程でも一切使用していないコスメを指します。例えば、コスメによく使われる美容成分で動物性のものは、乳製品やハチミツ、ミツロウ、シルク、コラーゲン、コチニール、ムスクなどが挙げられます。このような動物を由来とした成分や添加物が含まれていないこと、また製造過程の面では動物実験を行っていないこと(=クルエルティフリー)が条件となっています。
クルエルティフリーとは、製造や開発の工程において動物実験を行わないことを指していていますが、この条件のみの場合は、成分には動物由来の成分が含まれていることがあります。
また、もうひとつ似たジャンルとして「オーガニックコスメ」があります。これは自然由来の成分を中心に製造された化粧品類を指しています。化学的な成分を使用しないことが定義とされ、これも厳密にはヴィーガンコスメとは異なり、ハチミツやコラーゲンなどの動物由来成分は含んでいることがあります。

ここ数年、上記のようなオーガニックコスメは世界的に数多く登場していますし、イギリス発祥のブランド「ボディショップ」などに代表されるクルエルティフリー、また環境を意識したサステナブル(持続可能)な製品づくりを掲げているコスメブランドも増え、支持する消費者も増えています。その流れに今、ヴィーガンというキーワードでコスメブランドが訴求されることが加わってきている状況です。

食のヴィーガンを健康問題だけと捉えないのと同じく、ヴィーガンコスメも肌に優しいなどの視点の他に、動物愛護や自然環境保護という考え方で選択されるコスメでもあり、その世界的な志向が日本にも拡がり始めています。


日本でも展開しているヴィーガンコスメブランドの例

Aesop(イソップ)
1987年にオーストラリアのメルボルンで創業。エッセンシャルオイル使用した自社開発アイテムを中心としたブランド。容器・パッケージのリサイクル活動を推進しており、パッケージを含み、持続可能性(サステナビリティ)を意識した製品作りを徹底していることも特徴。
https://www.aesop.com/jp/


Awake(アウェイク)
植物が持つ生命力にフォーカスしたオイル美容を推奨してきたスキンケアブランド。
2020年には全製品ヴィーガン対応にすることで、サステナブルな視点をさらに強化しています。
https://www.awake.co.jp/


BROWN SUGAR 1ST. (ブラウンシュガーファースト)
創業者が「わが子に食べさせたいかどうか?」を基準に食材を厳選した菓子店として2011年にスタート。現在では有機ココナッツオイルを代表に有機食材の他、ビーガンコスメのラインや洗剤も取り扱っています。
https://bs1st.com/

オリーブ&ババス
死海のミネラルで有名なイスラエル発祥でナチュラルフレグランスを中心に扱うLaline(ラリン)のヴィーガン対応コスメラインLalineは表参道の旗艦店他、全国に約30店舗を展開。
https://www.laline.jp/fragrance/olive-and-babassu/?sz=14


100%ヴィーガン対応ではないものの、自然由来成分を中心としているブランド

SHIRO(シロ)
素材の良さを最大限に生かした上質なプロダクトを展開。がごめ昆布やごま、酒かすなど厳選した自然由来成分を独自の手法で凝縮させたスキンケアやコスメシリーズが人気。同社が運営する「SHIRO CAFÉ」のメニューはすべてヴィーガン対応。

to/one(トーン)
2018年に誕生したオーガニックコスメブランド。ウチワサボテンオイルと花々のエッセンスを使用した製品は、素肌そのものの美しさを引き出すことをコンセプトとしており、肌馴染みカラーアイテムが高い人気を誇る。

ETVOS(エトヴォス)
石鹸オフの肌に優しいミネラルファンデーションをベースとして日本人の肌に合う色味や質感を追求するコスメブランド。スキンケア、メイクアップを中心に、ヘアケアやベビーケアとカテゴリーを拡げている。


日本でもヴィーガンコスメ、クルエルティフリーのコスメは多くなってきています。
日本社会で厳格なヴィーガン生活は難しい部分もあるので、環境に対する意識からヴィーガン志向をする人ならば、食生活はヴィーガンではなくても、美容コスメはヴィーガンを取り入れるというスタイルもありうるでしょう。
日本国内でも大きな市場であるスキンケア・コスメ市場でのビーガン対応の拡がりに注目しています。



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