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おはなし

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創作した小説や、思いの丈の文章などなど。
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#小説

短編小説:睡蓮たち

おはよう おはよう これが彼と交わす唯一の言葉だ。 幼馴染のサトルは大学生で、私は専門学…

ki ka
3か月前
23

掌編:睡蓮は夢の中

コポコポと水から空気が出てくる音が、 耳の奥でしていた。 水槽の中の空気を運ぶ機械のような…

ki ka
4か月前
10

掌編:昨日の海辺

⚠︎少しですが、自傷行為や性的な事柄に触れる表現があります。 千夜は自分の手首の古い傷を…

ki ka
7か月前
23

短編小説:失われた羽音に寄せて。

▲ その日、私は郊外に出ていた。 家に帰ろうとすると、敷地が封鎖されていて入ることが出来…

ki ka
10か月前
7

掌編:とどの詰まり

暑くてたまらなくて、今夏初のクーラーを付けたら鼻が瞬間で曲がった。 気づくとものすごい異…

ki ka
10か月前
10

掌編: 逢瀬

空気中の湿度が上昇し 僕と世界の境目が 曖昧になって溶けていく 漆黒になりきれない 生温い…

ki ka
10か月前
10

短短編:ボイスパーカッションだったのだ

電車に乗ってから気づいた、 天井から異音がする。 結構な騒音だ。 グォングォングォン ガーガーガー ガガガガガガ ブィーブィーブィー ギーギギギギー ダダ ダダ ダダ 疲れている上、満員電車で移動も出来ない。 目の前に立っていた人は、天井の音の聞こえる方向を見上げて、苦笑いをしていた。 二駅分騒音を聞いた後、降車駅に着いてほっとした。誰かが駅員に声を掛けるのを、横目に見ながら帰路についた。 家に着いてくつろいでいると、テレビから電車の異音点検で不審者を発見、と聞こえて

短短編:aとbは交わるようで交わらなかった

その日、aとbが道路ですれ違った。 しかし、その動線が交わることはなく、何事も起こらなかっ…

ki ka
1年前
8

短短編:話の通じない男

今日は朝から何かがおかしかった。 充電は充分にしたはずなのに、電波が悪いわけでも無いのに…

ki ka
1年前
13

短短編:浮気

【設問1】 家に帰ったら、付き合っている相手とその浮気相手がおり、ことが済んだ後だと認め…

ki ka
1年前
7

短編小説:Fly Fri フライ

社会人になってから、全く音信の無かった友人と、最近よく行く居酒屋のカウンターで飲んでいた…

ki ka
1年前
10