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ルールある教室の居心地

この1学期、小学校でも中学校でも、それぞれの教室に「学習規律」「学習のルール」を息づかせる努力の積み上げがあったことでしょう。
子らそれぞれが進級し、クラス替えによって新たに形成された「学級」。
いかがですか。子らの新たな教室に、定着しだしたでしょうか。

私が校長を務めていた中学校では、「〇〇中、学びのスタイル」なるものを子らと確かめ、共通の実践としていました。全校をあげて取り組む「学習規律」の確立です。これは、グループによる話し合いをする際の申し合わせを示したもので、グループの中に司会・記録・発表者の役割をローテーションさせることや、グループ内での発言の仕方やその進め方・まとめ方などを示したものです。校内研究を通じてみなでつくりあげたものです。こうした共通実践は、各校でさまざまに行われていることでしょう。

また、共通実践でなくても、例えば、英語科の授業では、発表の際の「挙手」について、「本時の授業で何回目の挙手であるか」を指の数で示して挙手するというルールをつくっておられる先生もあり、授業が勢いづいています。体育の授業では、整列の仕方などだけでなく、授業の流れそのものの定着をめざした取り組みもなされています。子らの動きにムダがありません。また、小学校低学年では、えんぴつの持ち方や机の上へのモノの置き方、イスヘの座り方まで、ていねいに指導されている実践もあります。それぞれの発達段階や子らが持つ課題にあわせて、指導者がそれぞれの教室づくりをすすめているのです。

なぜ、こうした「学習規律」「学習のルール」の定着をめざすのか大切にするのか

その答えは、いたって簡単です。教室の仲間との学習を充実させ、その学習を深めるためです。「学習規律」「学習のルール」が息づく教室は、子らにとって、居心地のよい空間となるはずです

実は、「この教室に、学習規律は息づいているか?」を手っ取り早く確かめる方法があります。その授業を次の視点から参観するだけで、ほぼほぼそれがわかります。
その視点とは、「授業の中で発表する時には、手を挙げ、きちんと立って発表しているか」という視点。この一事です。このことは、小学校でも中学校でも、同じです。

読者の中にもし先生がおられたら、ご自身の教室をかえりみてください。子の保護者の方がおられたら、この視点から参観ください。

「手も挙げないで、思いついたことを口々に出し、指導者がそれを聞き分け、懸命に拾いながら言葉を補ってみなに伝えなおす。子らに聞く姿勢が育たない。じっくりと考えている子には、発言の機会もない。言葉を発した子にだってみなに伝えた感がない…。」

こんな教室、居心地がいいわけがないのです。

次のものも参考にしてみましょう。

みなでつくる学習規律

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