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第四話:海鮮丼を求めて 〜出雲の神様から試練の詰め合わせギフトを贈られた話〜

ゴホン、ゴホン。(咳払い)

ねえ、ちょっといい??


前回までの記事を読んでくれた方からお褒めの言葉を沢山いただいちゃって!!!
楽しみに続きを待ってくれている人までいて!
読んでくれている皆さん本当にありがとう(泣)
書いた文章が誰かに届いて、面白いねって言ってもらえるって、すごい幸せなことなんだなって感じた。

神様ありがとう、ハプニングの数々を...

ハプニングの前フリが多すぎて、前回で遂に完結すると思ってくれた人もいたんですが...


す、すみません、まだ始まったばっかりです。

今回からは結構ちゃんとした(?)旅行記になると思うので、出雲や出雲周辺の情報をお探しの方に役に立つ情報をお届けできるかもっ!!(ほんとか?)

というわけで、

2日目、スタートぉ〜!!!

2日目:快晴

目覚めとともにカーテンを開ける。
爽やかだ。実に爽やかだ。
昨日のあのタバコ臭い部屋で眠ることにならなくて本当によかったと、寝ぼけ眼の脳みそ半覚醒状態の私は布団の中に再びもぐり込み、目を瞑ったまま感謝した。そして二度寝...


している場合じゃない!

今日はどこへ行こう?

むくっと起き上がり、ベッドサイドに放っておいたガイドブックをペラペラ捲る。
せっかくだからちょっと足を伸ばしたいな。
夕方は「宍道湖」の夕焼けが見たい。
どんだけ夕焼け好きなんだ。
でも「宍道湖」のある松江市周辺だけで1日過ごすには時間がありすぎる気がする。

温泉もあるのかぁ、なるほどなるほどねぇ〜

ん?!これは!!!!!!


海鮮丼!!!


わー!美味しそう。海鮮丼食べたい!!
出雲にきてからまだからあげクンしか食べてない!
「境港」か...どこだろう?
読み方すらわかんないな。まあいっか。

ちょっと離れてるっぽいけどまだ朝だし、今から行けばお昼には絶対着くでしょ
海鮮丼食べてから松江市周辺に戻ってきて〜
「松江城」観に行って
夕方になったら「宍道湖」で夕焼けを見る....


最高のプランじゃない!?



よし、これで行こう。決まった!!


明日は夕方まで時間があるから、出雲大社は明日までのお楽しみにすることにして...

そういえば出雲大社って何時からやってるんだろう?
念のためにちょっと調べておこう!

そして私はGoogleに「出雲大社」と入力した。
出雲大社のホームページや観光ガイド、Wikipediaが出てくる。
その間に出てきた、「他の人はこんな検索もしています」みたいな欄で私の目は止まった。

「出雲大社のタブー」「着ていってはいけない服」の文字に少しビビる。
なんか私が思ってた以上に出雲大社って格式高い場所なのでは...
ドレスコードありな感じ?気軽に参拝したら怒られるやつじゃん。
ちょっと不安になりながら、今度は検索ワードを変えてみた。

「出雲大社 服装」

「サンダル等の軽装はご遠慮下さい。」

サンダル....

サン...ダル....!!!!!

すっ.....( 。・ω・)っ


はい、ワタクシ今回、お天気が大変良さそうだったため、

サンダルで来てます!!!!!


しかも前夜にバケツひっくり返して床を水浸しにしながら洗ったサンダルです。

そ、そうか、そういうことだったのか。

あれは神様からのお告げだったのだ。

神様:「お〜い、サンダルはダメだぞ!聞いてんのか?聞いてねえな。ちょっと火傷させておこ。」

神様:「こ、こいつ、まだ聞こえてないな...火傷もダメならシラスの舞だ。それもダメだってんならもうこうするしか...!!」

ガッシャーーーーーーン!!!
(バケツがひっくり返る音)

・・・。

うん、そうだ。絶対そうだ。
どうしよう、私に第六感がなかったばっかりに...。

ということで、

今日のプラン決定!!!

・境港まで海鮮丼を食べに行く
・松江城を見に行く
靴を買う!
・宍道湖の夕焼けを見る
・今日こそ美味しいご飯を食べる

ふぅ〜あっぶね〜
これで完璧な1日が過ごせそうだ。

昨日の二の舞は踏まないぜ。

(ちなみに二の舞を踏みたくない昨日一番の盛り上がりはこちら↑)

予定が決まればあとは早い。
ちゃっちゃかちゃっちゃか支度を済ませて

いざ出発〜!!!

何度も言うけど私、晴れ女なのよ。
いい天気に恵まれて、あっついなぁ〜(嬉)ってブツブツ言いながら「出雲市駅」へ向かった。


どうやって行くんだ???


とりあえず駅までやってきた。
行き先も決まっている。

しかし行き方は調べてない。

詰めが甘いとよく言われるし、占いにも大体書いてある。めちゃくちゃ当たってる。

しかしここは観光地。
駅の中には「観光案内所」がある。
幸い他には誰もいない。
行ってみよう!!!

「すみません〜、きょうみなと?ってところに行きたいんですけど...」

「....へっ?きょう???きょうなんですか?」

「きょ、きょうみなと?きょうこう?さかい...」

「ああ〜さかいみなとですね!!!」

境港(さかいみなと)って読むのをこの瞬間初めて知った。それすら調べずに行こうとしてたあんた、むしろ尊敬するぜ。


「1時間くらいかかりますかね?」

「まさか!!!!!

2時間はかかりますよ😊」


思ってたより遠かった〜\(^o^)/
事前準備、足りなすぎ。
詰め、甘すぎ。

でも幸い、2時間後はちょうどお昼時だった。
じゃあいっか!!


「境港までは、特急やくもで米子まで行って、米子から境港線で境港へ行くのがいいですよ!」

・・・特急やくも。

私は一瞬怖気づいた。
なぜなら昨日のやくもで散々な目にあったからだ。


そりゃそうだよね。他にないよね。
それならせめて...

「お得な切符とかってないですかね!?」

ちゃっかり者の晴れ女、再び。
ちゃっかりすることはいつも怠らない、詰めは甘いのにちゃっかりはする、とんでもない奴だ。


「ありますよ〜!チケットレスにしたら特急券がかなり!!お得です😊」

あったじゃん〜やっぱり〜!!
ちゃっかり万歳\(^o^)/


己のちゃっかりに感動した私は
その場で5分後の特急券をゲットした。
直前まで買えるお得な切符、最高すぎ!!!


そして昨日ぶりの特急やくもに乗り込んだ。
まさか今日も乗ることになるなんてね。

あとでこの「宍道湖」の夕焼けを見るんだ!
とワクワクした気持ちで窓の外を眺めた。

心なしか、昨日のやくもよりも揺れが少ない。
旅のお供に持ってきた「模倣犯(宮部みゆき)」も捗った。

出雲市駅から米子駅までは約1時間。
そういえば米子って鳥取じゃない?
もはや出雲がある島根でもないんかい!!

と、やくもに乗ってから気づいた私。
そりゃ遠いわ。

美味しいもの食べられるならどこでもいっか!

そして米子へ到着する直前、私は次の電車の時刻を調べた。


列車の到着時刻10:34。
境港行き列車の発車時刻11:33。

1時間も間あるやないかーい!!!!
そこから終点の境港までも約1時間。

確かに2時間くらいかかるけど、
まさか間に1時間の待ちが発生するとは思わなんだ。

バスか!?バスで行くか!?

そう思って、ダメ元で米子駅の駅員さんに
「バスでなんて行かれないですよねぇ?」

と聞いてみた。

「バスもありますよぉ!!!」

なぬ!?希望の光!私の腹はもうペコペコだ。

「でもバスも大体電車と同じ時間帯で走ってますねぇ〜」

ダメじゃん。全然ダメじゃん。
だったら電車のがいいに決まってるじゃん。

諦めた私は、お土産屋さんを徘徊しセブンイレブンで飲み物とささやかな小腹満たしにグミを買った。

そして待合室で大人しく待つことにした。

ポツポツと座る人がいる中に、異様な光景を見つけた。

端っこのベンチで寝転がる若い女性。
その前には心配そうに目を向けるお婆さん。

私は少し離れたところに腰をかけ、
持ってきてよかった「模倣犯」を読んだ。

しばらくすると視線の端で何かが蠢いた。

むくっ。


起きた。寝てた女性が起き上がった。

真っ白な顔だ。
おばあさんがすかさず声をかける。
「あなた、大丈夫なの?」

真っ白な顔で女性は答える
「うん、ほんまごめん。」


私は悟った。


やくもにやられた人だ!!!!!!


やっぱりあいつ(やくも)、只者じゃない。
あんなに真っ白な顔になるまで追い込むなんて酷い。
どうやらおばあちゃんと孫でささやかな旅行に来ていたようである。楽しむはずだったおばあちゃんとの旅行が、やくもの毒牙によって壊されたのだ。なんて被害だ。

この2人の旅が始まったばかりなのか、終わったところなのかは分からない。
だけどどうかこの2人が家にたどり着くまでの残り時間は、楽しいことが沢山あってほしい。

2人は途中下車したようで、駅員さんに事情を話し、席が空いている列車で目的地へ向かうことができたようだった。


恐るべしやくも。

そんなこんなでそろそろ電車が来る時間。

海鮮丼まであと少しとあって
私は意気揚々とホームへと降りていった。

なんと!!!!!

鬼太郎電車がお出迎え\(^o^)/

そういえばペラペラ捲っていたガイドブックにも、時たま鬼太郎が登場していた。ここにいたんか君は!!!!!

棚からぼた餅な鬼太郎電車に心を躍らせて、いざ乗車!!

車内もめちゃくちゃ鬼太郎だった。というか目玉のオヤジだった。オイ鬼太郎ッ‼︎

鬼太郎にちなんだ駅の別名が付いてたりして面白かった。


そんなこんなで最終駅、「境港」にようやく到着!!

長かった、3時間。
遠かった。お腹すいた。


境港駅は鬼太郎駅だった。さすが。


どこもかしこも鬼太郎な町。それが境港。

ええい!私は海鮮丼を食べに来たんだい!!

この辺で有名な海鮮丼屋さんに行こう。
Google先生に聞きながら、良さげなお店を一軒見つけた。

そして目の前のタクシー乗り場でタクシーに乗り込み、行き先を告げ出発した。

「お客さん、東京からぁ?」

私は横浜に住んでいる。でも多分この辺の人からしたら横浜も東京も変わらないだろう。そう思って

「そうなんです〜!よく分かりましたね!」

と答えると

「東京っちゅう顔しとるもん〜!」

と笑って答えてくれた。

出雲に旅行に来たと言うと、なんでこんなところにいるんだって顔してたけど

「そりゃぁ良かった〜、楽しんでってねぇ」

と優しく言ってくれた。

私が観光客だからか、景色の良い港沿いを走ってくれたおかげで
港に船舶していたでっかい船まで見ることができた。なんかすごかった。この船がまさかのちに私の首を絞めに来るとは知らずに...


駅からはかなり離れた辺鄙なところにお店はあった。

「この辺ってバスとかはないですかね?」
運転手さんに聞くと
「ないねぇ〜」
と返ってきた。ならば私はどうやって駅まで帰るのか、タクシーがなければ帰れない。

「帰りもお願いしたいんですけど...」

そう言うと運転手さんは、一瞬困った表情を向けながらも

「ほいじゃぁこれに電話してみてぇ、ゆっくり、ゆっくり食べてきてねぇ」

なぜか「ゆっくり」を強調して
おじさんはタクシー会社の名刺をくれた。


そして私が到着したのはここ!

お食事処 しんわ
0859-21-1699
鳥取県境港市上道町2299-1


到着したのは12:30。
なんだかんだでちょうど良いお昼ご飯!

ここまで1時間の待ちぼうけはあったものの
とても順調な旅路である。

やっぱり昨日がツイてないだけだったんだな。

そう思いながら、海鮮丼を待つ。

じゃじゃーーーーん!!


海鮮丼と言いつつ、私が頼んだのは海鮮ちらし。

バクバク食べた。

お腹空きすぎてて。

おいし〜♡って言いながら

バクバク食べた。

あっという間に食べた。

3時間かけて来たとは思えないほど
米も魚もスイスイ胃袋に収められていく。


もう一個食べられる気がしたけど我慢した。


はぁ〜、心は満たされたし大満足\(^o^)/

お会計を済ませて
さっきの運転手さんにもらったタクシー会社に電話して、タクシーを呼ぼうとした。


「今ねぇ、定期船が到着して車みーんなそっち行っちゃってるわぁ。いつになるかわからんです。」

へ????

い、一台も???

いないらしい。
そんなバカな。

定期船って、あの、行きに見てきたでっかいやつ???

この辺のタクシーがこぞってあの船から降りてくる人を拾いに行ったって!?

お店に着いた時の運転手さんが強調していた「ゆっくり」という言葉が脳内に響き渡る。

来れないならあの時に言ってやぁー!!!!!
いや言われても遅いけど。

境港から米子までの電車が発車するまであと30分。
それを逃すとたぶんまた1時間も2時間も待ちぼうけだ。

それは無理ぃぃぃ!!!!!

お店のだだっ広い駐車場で、私は途方に暮れた。
またか。またこれなのか。

私は都会育ちである。
乗ろうと思えばいつでも電車やバスに乗れる。
タクシーだって呼べばすぐに来る。
免許なんか必要のない、便利で恵まれた環境に生きていたのだ。便利な生活を当たり前だと思っていた。

そんな私が田舎に来ると、こうやって不便さの壁にぶち当たり挫折するのだ。

しかし今日は!!!!
まだ日が暮れていない。
幸いにも人はいっぱいいる。
お店の中に!!!!

私は店内に戻り、店員のお姉さんに事情を説明した。

「ええええええ!!!!!?」

話せばお姉さんもびっくりな対応だったようで
もしかしてさっきの電話の人に意地悪されたのかな?と悲しくなったけど

「もう一個タクシー会社あるから!こっちで呼んであげます!!」

そう言って、手際よく電話をかけてタクシーを呼んでくれた。

「10分くらいで来るみたいです👍🏻」


いたよ、ここにも。神様が。
出雲じゃないからあれだけど、出雲の近所にも神様がいたよ。鳥取の神様だねこりゃ。

そして10分後、駐車場に入ってくるタクシーを見て心の底から安堵した私は

「13:34の電車に乗りたいんですけど間に合いますかね?」

と聞いた。
チラッと時計を見た運転手さんは


「余裕ですね!(キラーン)」


輝いてた。めっちゃかっこよかった。
そんで本当に間に合った。

行きは運転手さんが港沿いを走ってくれたこともあって、20分くらいかかったんだけど

最短ルートをスイスイ言ってくれたおかげで
発車の5分前に駅に着いた。


ありがとう!!!!!
境港!!!さようなら!!

こうして無事に電車に乗り込んだ私は

こなきじじいとネコ娘!!!!

ってテンション爆上がりして
無事に米子まで戻ったのでした。


なんだかんだでハプニングとは
切っても切れない縁があるらしい。

まあいいか、それでも。

次回、いざ松江城!!!


(つづく)


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