【小説】初めての土いじり【白砂での暮らし】
砂を土にすることが、できない。まず、土を触った記憶がほとんどない。幼少期から、屋内に籠って、一日中本を読んだり、実験をしたりしていた俺が、できるわけがなかった。
「いけてる?魔法で大事なのはイメージと、自信だよ?」
わかってるけどさ。わかってんだけどさ。
心の中でつぶやくにとどめ、大きいため息をつき、手の内でサラサラと流れ出す土を放り出して、家に帰ろうと立ち上がる。
「あ、もしかして、土触ったことない?外遊びしない系の人生?それなら、仕方ないか。ほら、おいで。」
少