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命の危険も!ブラジルでの蚊の問題

日本で「蚊」といえば、「刺されたら痒い、時には腫れる」また「飛ぶ音が鬱陶しい」というくらいの連想しか持たれないかもしれません。それでもかなり嫌という方は多いかと思いますし、私もそのうちの一人です。
しかし、ブラジルでは「蚊」というとそれらに加えて、「感染症を運ぶ恐ろしい生き物」という認識が広く持たれています。日本よりはるかに憂鬱で嫌な存在かと思います。
今回は前回のクッピンに引き続き、深刻な虫問題、中でもその代表例とされるブラジルでの蚊について取り上げたいと思います。

蚊には種類があり、ブラジル人はそれを識別する能力がある

ブラジルには多くの種類の蚊がいるのだそうです。その種類ごとに運んでくる感染症は異なり、その危険度も異なります。
以下、ブラジルで有名な蚊が運ぶ感染症です。(『蚊媒介感染症』(厚生労働HP)参照)
・黄熱病
・ジカ熱
・デング熱
・マラリア
多くのブラジル人は見た目でどの種類かを見分け、警戒度を把握しているできるのだそうです。今まで蚊に種類があることなど全く知らなかった私は見分ける術もなく、蚊は一様に警戒する必要がありました。

わが街では

感染のリスク地域とされていたわが州。私の街の中の、私の生活圏内での情報のみの情報になりますが、どのような状況でどのような対策がなされていたのか記したいと思います。

1、森林公園へは黄熱病の予防接種証明証の持参が必要&蚊が増えると閉山

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私が住む州は毎年黄熱病の感染のリスク地域としてブラジル政府から指定されていました。(https://www.saude.mg.gov.br/febreamarela参照)
街の外れの方にある森林公園は空気が山の澄んだ空気で、また街を一望でき、私が街で一番好きな場所です。しかし自然溢れるこの場所は蚊にとってもお気に入りの場所のようで、蚊への警戒が厳重になされていました。公園に入る前には門番がいて、彼らに黄熱病の予防接種証明証(イエローカード)を見せなければなりません。また自分たち自身でも虫除けスプレーをするなど対策をしっかりと取って入っていました。(しっかり対策を取ってまで行きたい好きな場所でした。)また蚊が増え始めるとすぐに閉山されていました。
このようにこの公園は黄熱病感染の脅威が常に身近にある場所でしたが、私自身は強い恐怖心を持ってその公園に行ったり、その街で暮らしていたわけではありませんでした。というのも私たちは黄熱病の予防接種を受けていたからです。
黄熱病の感染は蚊が原因ではありますが、黄熱病の予防接種の接種をしていない、あるいは接種をしてから長い時間が経ってしまっていることも大きな原因にあたります。上記サイトによると、310万人以上が黄熱病予防接種を受けていないとのことです。(州の人口は二千万人ほど)予防接種の普及がブラジルの大きな課題となっています。
2、デング熱感染はよくあること
日本では滅多に聞かないデング熱ですが、ブラジルの私の街では自分の周囲の人がよく感染していて、非常に身近な感染症でした。
致死率は低いものの、罹った人の話を聞くと、インフルエンザと似た症状だが、治るまでの期間がインフルエンザの二倍以上かかり、相当辛いとのことでした。

対策

 ブラジル生活で有効だと思う蚊の対策については以下のものが挙げられます。
1、黄熱病の予防接種を受ける
こちらは外国人がブラジルで居住する場合は必ず接種証明を持たなければならないので、ブラジルで暮らすのには当たり前のように思っていました。しかしいざ暮らしてみると先述の通りブラジル人で黄熱病の予防接種を受けていない人が多く、またそれにより黄熱病の感染が拡大していることを目の当たりにしました。

2、川から離れた丘に住む
こちらは生活してみて強く感じたのですが、そしてもしかしたら当たり前のことかもしれませんが、低地で川のそばにある家と丘の上にある家ではかの出現率、そしてデングに罹患する人の割合が大きく違いました。幸い私は丘の上にあるマンションの10階に住んでいた為、3年以上暮らした中で家に蚊が侵入したことは二度しかありませんでした。

3、プランターの受け皿など、家の中のあらゆる場所で水を溜めない
ブラジルに住みはじめた時、わが家のプランターの受け皿に水が溜まっていたのを見たブラジル人が強い口調で蚊が繁殖するから水を溜めないよう、アドバイスをしてくれたことを思い出します。日本でも気をつけるべきかと思いますが、このアドバイスを機にブラジルでは一層気をつけようと思うようになりました。

4、適切な忌避剤・殺虫剤・防虫グッズを備える

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私の街、そしてブラジル全土で有効な虫除けスプレー(クリーム)は"OFF"という商品名のものが有名でした。一方日本から持ってきた虫除け剤はあまり効果を感じられず、ブラジルの蚊にはブラジルの虫除け剤が一番効く、という結論にいたりました。
一方でKINCHOの“蚊のいなくなるスプレー”は大活躍しました。家はもちろんのこと、屋外レストランのテーブルの裏や旅行先のホテルの部屋など、さまざまな場所がこのスプレーのおかげで蚊の心配が少ない快適な場所に変わりました。
他にブラジルでは網戸がない為、メッシュの布を窓に貼り付けたり、電流の走るラケットが一般的に普及していたりしました。

まとめ

以上、ブラジル生活で気をつけなければならない蚊の問題とその対策について記しました。前回と同様、日本に住む方に全く参考になる話ではなかったかと思いますが、ブラジル生活で私の大きな問題となっていた話題をご紹介させていただきたいと思いました。南米へ旅行予定の方など万一どなたかの参考になりましたら、幸いです。

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