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みんな同じ見方をする不思議。

ちょっと用事があって、
札幌市内の区役所にいった。

平日の14時ごろ。札幌の気温は30度くらいだが、外ではいつもどおり、日陰に入ると涼しいし、心地よい風が吹く。


区役所の中は程よく冷房が効いてはいるが、人が多くて少しばかり熱気がむんむんしている。


順番待ちの札を手に取ると、前に20人以上が待っていて「こりゃ、来るタイミングを間違えたなぁ」と後悔していた。


1人あたり何分かかっているかを
ざっと計算してみると、3〜5分ほどだった。

てことは1時間前後は待つ羽目になるのかぁ、と思いながら「こういう場所でこそDXが必要だよなぁ」と思う。



区役所の待合スペースには、白い椅子が数十個ほど整然と並べられていて、そのうちの8割ほどが人で埋まっている。

後悔しながら椅子に座ると、目のまえに私と同年代と思われる女性が座っていた。

スマホをいじっている。


その女性がスマホを見ながら、
画面をスクロールしているのが目に入った。

見ていたのはおそらくファッション系のアプリ。
何かしらのお洋服を見ているようだった。

続いてそのアプリを閉じたかと思えば、
TikTokを見始めたようだった。


次々と流れゆく動画、コンテンツ。


それを親指でスクロールしながら次から次へと動画を見ている。心の琴線に触れればスクロールの指を止めて、しばらく動画を注視する。


3秒、4秒、5秒、6秒。


さて、みなさんの場合、

この後の行動はどうだろう?

TikTokを見ないという方は、インスタでもいいし、Yahooニュースでもいいし、Youtubeでもいいし、noteでもいい。


それぞれのコンテンツを見終えた後の、

次のアクションはなんだろうか?




その女性の場合は、
TikTokのコメント欄を開いたのであった。


動画コンテンツに対して、一般のユーザーがどんなコメントを残しているのかが気になるのだ。これはTikTokだけでなく、先に述べたあらゆるプラットフォームでも同様の見方をするに違いない。


コメントだ。


あるコンテンツを見た後、自分の中にはそれについての感想が芽生える。言語化できない感想である。コメントを開いて、自分と近い意見のコメントを見て「そうそう」と思う。

はたまた「その視点はなかった」というコメントを見る。おそらくここまでが1セットな気がする。


UGCという言葉があるが、その意味するところは「User Generated Contents=ユーザー生成コンテンツ」のことであり、

広告業界ではもう何年も前から「UGCが大事です、UGCを起こしましょう」的な提案が散見される。

わかりやすい例を書くと、『逃げ恥』のエンディングのダンスである。ガッキーと星野源ら出演者が曲に合わせてダンスを踊る。

それにつられて視聴者が誰に頼まれたわけでもないのに「踊ってみた」系の動画を投稿する。

それがまた渦を巻いて拡散されていき……というようなもの。


まさかこの記事で、
UGCを解説するとは思わなかった。



やっぱ、コンテンツの見方って、誰もが同じなんだな、不思議だな、と思っていたら、


その女性は窓口へ呼ばれ、
私は1時間ほど椅子で待つのだった。



役所にくるタイミングをミスったなぁ。


<あとがき>
地下を走る電車に乗っても同様の光景が目に入ります。みんなスマホでなんらかのコンテンツを見ては画面をスクロールして、コメント欄を見ているのです。誰に教えられたわけでもないのに、どうして同じ見方になってしまうのか、よく考えられたプラットフォームだなぁと思う日々です。今日も最後までありがとうございました。

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