vsレッドブルガールズ。
レッドブルは街中で無料で配られる。札幌でも配られている。誰が配っているかというとナゾの女子たちだ。
レッドブルは翼を授けてくれる。授けてくれるというかもはやあれ自体が翼な気もする。ちがうか。それを街中でキャッキャ言いながら配ってくれる女子たち。通称レッドブルガールズ。見た目がやけにいい。
嘘か誠か、北海道のレッドブル販促の統括役だったという方に会ったことがある。いわく「レッドブルガールズは全員大学生」らしい。理由はわからない。
レッドブルガールズ。ギャルである。
きのう、昼間のすすきのを歩いていたら、レッドブル車が4台連なって交差点を左折していた。コンパクトカーの上にどでかいレッドブルを乗せて走っている。運転席と助手席を見てみるとレッドブルガールズがニコニコ楽しそうにしている。ギャル。
ああ疲れた、とほぼ白目で歩いていた私だが、その光景を見て「うわあ、レッドブルガールズだ。運転してるよ。なんかすげー楽しそうに」と見つめる。
レッドブルガールズはとても楽しそうなのだ。若さからくる楽しさなのか、それとも、あたしたちレッドブルガールズです、みたいな自信からくるものなのか。または集団心理由来の無敵感なのか。おそらく全部かしら。きっとそうかしら。
レッドブルガールズになる方ってどんな属性なんだろう。生粋の陽キャなのかな。それとも普通の人たちなのかな。普通だよな。
学校ではどんな立ち位置にいるんだろう。私立大学だろうな。大学入学直後のスタートダッシュに成功してそう。
フットワークの軽さを売りにしてるけどきちんと愛すべき人を一途に愛してそう。誰にでもニコニコして元気を振りまいてそう。だからどこに行っても通用しそう。
自信があるからレッドブルガールズになるわけだし、自信があるからあの仕事を嫌な顔しないでやってるんだし。
歩きながら「そういえば」と思い出したことがあった。今から6年前くらい。まだ独身で一人暮らしをしていたとき。
仕事が終わって夜、テクテクと家に帰り、マンションのすぐ近くまでついた。マンションの駐車場を通るのがショートカットになるからそこを通る。すると、レッドブルカーが停まっていた。巨大なレッドブルを車の上に乗せて。
「うわ、レッドブルカーだ、なんでここに? こえーな」と思って、停車中の車の前を通る。すると中からレッドブルガールズが2人出てきた。髪の毛は長く、スタイルがよく、服装がピタピタというかもはやビタビタの2人組。そしてあろうことか「お兄さーん」と話しかけてきた。
ええっ!? 天下のレッドブルガールズがこんなムサい私に何か用ですか? え? 今から一緒に鍋でもどうですか?
とかは言わないよね。それは言わない。
鬼神の如き陽キャの権化2人がこんなボロ雑巾のように疲れきった私にどんな用ですか? え? お兄さんずっと見てました、かっこいいですね!
とかも言わないよね。それはない。ありえない。
「お兄さーん」と言われて「は、はい〜」とビクビクおびえながら返事をすると、レッドブルガールズは「これどうぞ!」と言って青と銀がきらめくレッドブルを渡してきたのだった。
そりゃレッドブルガールズはレッドブルを渡すことが仕事なわけだからそうなんだけど、ああ、そりゃそうだ。
「あ、ありがとうございます」と言ってレッドブルを受け取ると、レッドブルガールズは2人揃って満面の笑顔で言う。
「おつかレッドブル〜!(キラキラ)」
......
...
「......は、ははは。お、おつかレッドブル〜」
なんだろう、きちんと信頼しきれていない人が第三者に対して「イトーさんはすごい人なんですよ!」と、頼んでもないのに紹介してくれているときのような。
「は、ははは。あ、ありがたいっす」のときと同じ、ひきつった笑顔。
なんという戦闘力だレッドブルガールズ。見知らぬカスに対して「おつかレッドブル〜!」って言える? 私なら言えない。
完全敗北、略して完敗。
翼を授けるレッドブル。
...
何が言いたかったかというと、レッドブルガールズは基本的に、どこでも通用すると思います。
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