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金曜の夜なのに誰からも誘われてない人が読む記事。

今日は金曜日だ。

平日の終わりを「金」曜日と名づけた人はめちゃめちゃセンスがあると思う。1週間を終えた達成感の色と質感はまさに「金」だろう。

若いころは週末の金曜日になるといつもどこかのお店で夜ご飯を食べてから家に帰っていた気がする。

1ヶ月に何回の飲み会があるかがステータスみたいなものになっていて、誰かからお誘いの連絡を受ければ「ごめん! その日は別件があるから他の日で!」みたいなクソ連絡をするのが逆に気持ちよかった。そういう時期はきっと誰にでもあるはずだ。

33歳になり、そういう場所に行く機会は全くなくなった。ゼロだ。だれからも誘われない。もちろんそれは、私がお酒を飲めないという極大な理由があるからかもしれないのだけど、とにかく飲み会には誘われなくなったし、いかなくなった。


周りの同年代の人を見てみると、やれ会食、それ会食だのと高価格帯の居酒屋でご飯を食べる様子をインスタに投稿している姿をみることがある。うらやましいな。私も行きたい。この年齢になると飲み会の目的は仕事のつながりをより強固にすることに言い訳を見出している人をよくみる。

私の場合、お取引先から食事を誘われても基本的には断っている。いや、うそ。そもそも誘われません。そういうレベルの人間なのだろう。個人的には飲み会に行かなくとも仕事は成立するわけで、飲み会ごときで関係を繋ぎ止める必要があるお取引先なら…….まぁ、いろんな考え方がある。


でも、飲み会は大事だ。政治の世界でも、外交の世界でも、重要な話はなぞの料亭でお酒とともにされることが多い。どの時代も一緒にご飯を食べる、一緒にお酒を飲んで一緒にダメになる、という儀式がもたらす効能は大きい。


そういえば心に残っている言葉がある。

高校時代の女友だちが言っていた言葉だ。

ある男がいた。彼はお取引先と一緒にキャバクラに行く必要があったらしい。自発的ではなく、あくまで仕事上、仕方なく行ったと言う。

女友だちが言うのだ。


「一緒にキャバクラに行かないと仕事が成立しないような取引先なんて、とっとと切りなよ。上司がそれを容認しているなら会社に問題があるから早く転職しなよ」


それを聞いた私は、ゾロがミホークにズバッと斬られた場面を思いだした。ぐうの音も出ない。正論である。

そういう言葉を知っているから、私はどこにも行かない。

本当は行きたいと思っていることを隠しながら。


ちがう。だれからも誘われないから。


<あとがき>
せっかくの金曜の夜なのに何もなくまっすぐに家に帰る自分に対して特段の憐憫を持たなくなったのはいつのころからなんでしょう。個人的には絶対にそういう場所でしか得られない情報があると思っていますし、そういう場所でしか取れない合意みたいなものもある気がしています。つまり、機会損失を多くしていると思っているのです。要するにお酒が飲みたいだけなのかもね。今日も最後までありがとうございました。

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