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川上未映子さん「愛の夢とか」を読んで

子育てに一生懸命で、本を読む時間が取れなかった頃、読みたい読みたいと思ってた川上未映子さん。今やっと手に取って読んだ。

ほのかに甘いはかなく消える金平糖のような、すーっと溶けて消えていくオブラードのような、頼りなくやわらかなマシュマロのような、淡い色合いできれいだけど切なさのあるお菓子に、ほんの少しの毒が入ってるような印象の7つの短編集だった。

装丁のイラストがかわいくて、本を手にするたびに癒された。前田ひさえさんというイラストレーターの方の絵と文字。

その前田ひさえさんが描いたようなイラストで、物語のシーンが映像に残る物語だった。

えっさほいさと鼻いちごの丘をよじ登ってるシーンとか、色とりどりの草花に囲まれた庭に横になって埋まるシーンとか。

最後の「13月怪談」は、色のないグレーの印象。ぎゅーっと胸が締め付けられて、涙がほろりと出た。

川上未映子さんの小説、エッセイ、もっといろいろ読んでみたい。

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