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「DO YOU LIKE ME」(銀杏BOYZ)から受けた衝撃と音楽の"濃厚接触”のあり方についての雑感


コロナ禍におけるロックバンドのあり方について考える。

マスク、フェイスシールド、アクリル板…

これまでになかった「生活必需品」が見事なまでに浸透し、生活に根付いた2020年。

あらゆるものが変化した2020年だが、それはロックバンドにとっても同じだ。

インディー・メジャー問わず、ロックバンドの生命線ともいえるライブシーンが消失し、動員制限、オンライン配信とこれまでにない表現の形を模索した1年に。

そんな2020年の10月21日、銀杏BOYZはYouTubeにて「DO YOU LIKE ME」という曲のMVを公開した。

「DO YOU LIKE ME」は、YouTubeへのMV公開日と同日に発売された約6年ぶりとなるニューアルバム「ねえみんな大好きだよ」の1曲目の収録曲。

これはあくまでも主観だが、そのアルバムで表現したいアーティストの感情が直に感じられる作品が採用されているケースが多いように思う。

コロナ禍での6年半ぶりのニューアルバムをリリースした銀杏BOYZの感情は、詰まるところこの「DO YOU LIKE ME」に凝縮されている、という解釈をしてみた。

銀杏BOYZといえば「銀河鉄道の夜」を代表曲に、一般的にキャッチーで感情全開のサウンドが特徴の”正統派ロックバンド”というイメージが強いバンドだと思っているのだが(←あくまでも主観である)、その実"一見さんお断り”的なノイズ全開のハードコアパンクな楽曲も多数発表している。

ノイズで代表的なアルバムで言えば、2014年にリリースされた前作「光のなかに立っていてね」だろう。

今回紹介する「DO YOU LIKE ME」はそんなノイズをイントロに、楽曲の荒々しさもさることながら、映像の衝撃度が非常に強い作品となっている。

映像はシンプルな構成ながら、アクリル板越しに仲野太賀と荻原みのりが熱い表現を交し合うというもの。

曲を主役とするならば、MVはあくまでもそれを引き立てるおかず。しかしこの「DO YOU LIKE ME」は、むしろ映像が主役となっている稀有な作品だ。色気よりも狂気、凄みを感じさせる二人の演技に脱帽せざるを得ない。

アクリル板越しに表現された「濃厚接触」は、この曲を"見た”視聴者すべての精神に「濃厚接触」すること間違いなしだ。

たとえアクリル板越しであっても、ライブが出来ない時代になっても、音楽を通じた濃厚接触は止められない、そんな峯田和伸の熱い気概を感じる作品を今日はご紹介しました。

出演
仲野太賀
萩原みのり

監督 
峯田和伸

撮影
木本健太(A-10 inc.)

照明
澤村直毅
大野桃子

ヘアメイク
川島享子
中村麻美子

制作
竹下晃太
田中優斗(A-10 inc.)



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