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次はキミの番

「お昼なに食べる?」長男に語りかける毎日。不登校の彼にできるのは、安心できる場所の提供と温かいご飯を作り続けること。手作りは親としての意地とこだわりだ。ただ、外食の場を誰かと共有できるようになってほしい願望もある。それは24年前の私に重なる。

当時、いじめられた経験もないのに人が怖かった。とにかく自信がなく、殻に閉じこもるのに必死だった。その反動から、人を寄せ付けないように尖った存在を演じた18歳。でも、尖る時間は短かった。

尖りが丸くなるきっかけは、怖がっていたはずの「人」だった。ある日、のちに友人となる同級生から「いつもどこでお昼食べてるの?」と声をかけられた。次の日も、その次の日も。人の思いが、徐々に私の尖りを削り落としてくれた。

長男には親友と呼べる幼なじみがいる。オンラインで会話する姿に24年前の自分が重なる。「お昼なに食べる?」私以外から声をかけられる日はそう遠くない。

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