JSAI2024（人工知能学会全国大会）に行ってきました
筆者は学部〜大学院時代をうなぎと餃子とさわやかの街・浜松で過ごしており、大学院時代に人工知能学会全国大会に論文をポストしたこともあるのだが、なんとこの度、筆者が所属するnote株式会社も協賛していて母校が現地実行委員で人工知能学会全国大会が浜松で開催されるという奇跡の巡り合わせが起こったので、第二の故郷浜松に行ってきた。
会場
会場のアクトシティ浜松は浜松駅近の巨大コンベンション施設である。筆者がかつて参加した会はたしか北九州の国際会議場的なところだったので、かなり大きめの会場が選ばれる傾向にあると思う。当日は悪天だったが、アクトシティ浜松はわりと雨よけがついているのと、そもそも駅から地下で移動できるのでそこまで雨に濡れなかった。
アクトシティは本当に広く、セッション会場はA ~ Sくらいまであり、A会場（プレリミナリーセッションのでかい会場）からS会場までは連絡通路が二つあるくらいに広い。
スポンサーブース
メインの会場からは連絡通路で一つ離れたところ(200mくらい？)に、ちょっとでかい体育館ほどのサイズのイベント会場というのがあり、そこにスポンサーブース、ポスター展示スペース、衝立で区切られた臨時セッション会場（C ~ F）が設営されていた。
スポンサーブースは1 ~ 100 くらいまでありレーンが割とみっちり詰まっていて、同時に接客できて一人か二人ぐらいのスペースだった。筆者は初日の28日の10:00くらいに到着したが、スポンサーブースはまだ全然設営できていなかった。技術デモやポスターをメインコンテンツにしているブースが多く、割と話し込んでいる人が多い印象だった。
RubyKaigiのように景品があたる的なキャンペーンをやっているブースは少なかったように思う。スポンサーブースでぶらぶらした後に、ふらっとセッションを聞きに行けるので個人的にはこの配置はありがたかった。
プレリミナリーセッション(キーノート)
山口高平先生のキーノートを聞いた。よくよく考えてみるとこの先生は自分の恩師の恩師の恩師（とかその関係者？）、つまり先生の先生の先生だったような気がする？ということに後から気づいた。特に理論〜実産業での応用まで幅広く研究されているらしく、その応用分野は16分野に渡るらしい。元々は昔からある知識表現（オントロジー）や推論、エキスパートシステムをやっていたが実産業での応用を目指して、生成AI時代のAIプロデューサー（実産業での応用を実現できるAI人材）なる概念を提唱していて、放送大学だかNHKの講義もやっているらしい。実産業での応用研究例は、大学の旅費申請サポートAIの例、高速道路点検サポートの例、インタラクティブな接客ロボットの3つが紹介されていた。旅費申請の例では大学のやたら旅費申請に詳しい職員の方の知識をナレッジグラフ（たぶんオントロジー）に変換して対話式のフォームをつくることで、とても難しい大学の旅費申請タスクの完了が1/4の時間短縮に成功したらしい。
インダストリアルセッション
DeNA、HRサイエンス研究所、ON&BOARD(ベンチャーキャピタル)が参加しているセッションを聴講した。企業によって発表内容が割と玉石混交というか、研究をがっつりやっている企業はその研究のは発表をするし、社内の取り組みについて話すことも可能なのかという発見があった。DeNAは、AI系のプロジェクトの管理手法を社内で体系化した話をされていた。AIプロジェクトではPOCで終わったり、目的が曖昧になりがちだが、AI PM Flowと、目的を精査するビルドトラップレビューを儲けることで、社内のAIプロジェクトの体系化を実現しつつあるらしい。HRサイエンス研究所（ミイダス）は認知心理学的な観点から、インタビュー音声の印象推定と、求人媒体であるミイダスの候補者表示の最適化について2つの話をされていた。得に後半は
ミイダス固有の問題を解決するために検討した同時多重仮説検定の新しい手法について話されていて本格的な研究みがあった。
一般セッション
生成AI時代のナレッジグラフ、AI応用マーケティング、エージェントあたりのセッションを聴いた。生成AI時代のナレッジグラフ > AI応用マーケティング = エージェント、くらいの順でおもしろかった。感想を書くとマニアックかつ長くなるのでトピックを絞って別記事にする予定。
ご飯
浜松といえば、うなぎ、餃子、さわやかであるので紹介しよう。
さわやかのハンバーグを静岡県外でも食べたいというあなたには、浜松駅おみやげコーナーのジェネリックさわやかハンバーグを買って帰ることをおすすめする。
もっとnoteのエンジニアの記事が読みたい方はこちらからどうぞ！