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【詩】奇跡

昨日「さようなら」と別れた君に「こんにちは」とまた会えたことが奇跡だ。

「さよならを言うのはちょっとずつ死ぬこと」
いつかどこかで目にした言葉。
君にひとたびの別れを告げるとき、僕はいつも死を連想してしまう。
「生きる」とは畢竟ひっきょう「死」に近づきつつある状態を指すのだけれども。

時間と空間の隔たりを超えて君と僕は巡りあった──奇跡的な邂逅かいこうだった。
空間のへだたりは、それがアルゼンチンのフエゴ島とノルウェイのスピッツ・ベルゲン島の間であっても、今の時代ならどうにかなるだろう。
時間に関して言えば、生まれたのがたった130年(もしくは30年)異なったら、絶望的だ。
30年でも130年でも地球の歴史46億年においては刹那せつなにも等しいのに。

奇跡中の奇跡──君と僕がお互いにそれほど嫌いではないらしいこと。
少なくとも僕は君が大好きだ。
世界は奇跡に満ちているし、全ての命は奇跡を生きている。

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