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【起業アイデアに役立つ海外最新ビジネスニュース #60】モバイルeコマースのWishがIPOを申請!


●IPO概要

モバイルeコマースのWishはIPOを申請し、Roblox、Affirm、Airbnb共に市場を盛り上げる事が予想されています。

1995年以降、eコマース企業は650社株式公開しており、2020年は18件公開しています。2019年の全4四半期の38件から減少していますが、IPOは過去10年間に集中しています。

WishはNasdaq Global Select MarketにWISHとして株式上場する予定です。


●Wishとは?

2010年設立のWishは、モバイルデジタルショッピングモールを提供しています。視認性が高く、パーソナライズされたブラウザで知られており、プラットフォーム上の売上の70%以上がパーソナライズされたブラウザによるものであること分かっています。

Wishは100カ国以上で月間1億人のアクティブユーザーがおり、50万以上の加盟店と提携し、約1億5000万点の商品を提供しています。またアプリを通じて1日に約180万点の商品が販売されています。

Wishは、2019年に210兆円と言われる世界のモバイルコマース市場で事業を展開しており、2024年には2倍以上の450兆円になると予想されています。一方、世界のeコマース市場は2019年に340兆円と評価されており、2024年までには2倍近い630兆円になると予測されています。

Eコマース企業は実店舗を支援することは多くないがWishは異なります。2019年にWish Localプログラムを創設し、加盟店の「オンラインリーチと発見を増やしてトラフィックを獲得し、売上を促進する」ことを支援したことで、現在では50カ国で5万人以上のパートナーを擁しています。


●IPO申請書で増収増益、当期純損失が明らかに


WishはIPO申請で、現金、現金同等物、有価証券を約1100億円保有しており、かなりの現金富裕層であることを明らかにしました。

同社の収益は2017年から2019年にかけて順調に伸びており、2018年には1100億円から1700億円、そして2019年には1900億円になりました。2017年と2018年の間に57%増加していますが、2018年と2019年の間には10%の緩やかな成長となっています。

2019年最初の9ヶ月間で、ウィッシュは1300億円の収益を報告しており、2020年の同期間に報告された1700億円と比較すると、前年比で30%の増加となっています。

収益増加に加えて、同社は損失も報告しています。同社は2019年第1四半期から第3四半期までの間、純損失を5億円にまで縮小させることに成功していましたが、2020年の同期間の損失は176億円にまで拡大しています。


パンデミックによって、人々が家にいる時間が増えオンライン購入に変わり、店舗受け取りか、商品配達してもらうかを選択するようになったため、eコマースチャネルの利用が増加しましたが、これはウィッシュにプラスの影響を与えました。

また中国ではパンデミックの影響で初期の供給が中断したり、配送遅延が発生したこともあったようです。

パンデミックの発生時に、国境を越えた物流機能の中断とコスト増加の両面で深刻な影響を受けた結果、売上減少とパフォーマンス低下による返金率上昇を受けたことも明らかにしています。


●資金調達の軌跡


Wishは、2011年3月にエンジェル投資で1.7億円の資金調達を行いました。その後もほぼ毎年資金調達を続け、2015年から2017年にかけては、DST Global、Temasek、Everbright-IDG Industrial Fundの3社から500億円の資金調達を行いました。同社は合計で2100億円のベンチャー支援資金を調達しています。

2017年以降、同社が資金調達を行ったのは、2019年にGeneral Atlanticを中心に行った300億円のシリーズHラウンドまででした。そのラウンドにより、Wishの評価額は1.1兆円以上になりました。

Wishの投資家には、DST Global、Formation8、Founders Fund、GGV Capital、Republic Technologiesがいます。CEOのピーター・シュルチェフスキー氏は株の65%、IPO前の総議決権の約58%を支配しています。


出典:Crunchbase


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