note記事画像__2_

「オレの起業コンセプト」社会・お客さんのニーズ 編


起業に欠かせないコンセプトのまとめ方を、「起業ライダーマモル」の事例を元に解説するこの連載。今回は、「社会・お客さんのニーズ」をどうやって見つけていったのかを深堀していく。

※この記事から読む方へ。連載初回の記事はこちら『「オレのコンセプト」動機 編』。

早速、オレがまとめた「社会・お客さんのニーズ」を紹介しよう。

・起業意識の高まり
・相談窓口は敷居が高い
・些細なことを相談していいのか不安
・アイデアがまとまらない

これらは「起業」や「起業したい人」「起業支援」のニーズをまとめたものだ。さらっと4つがピックアップされているが、実は、まとめるまでに手間と時間が結構かかっている。

これまで紹介してきた「起業の動機」や「強み・特技」は、自分と向き合えば、ある程度見つけ出すことができる。ある意味、自分との戦いだ。

でも、ニーズは他者が相手になる。自分の枠を超えて相手の視点で物事を考えなければいけない。そして、このニーズが無かったり明確になっていないと起業をしてもお客さんが集まらない、なんてことになってしまう。

オレも気合を入れて「よし、起業したい人のニーズを考えてみよう!」と思ったんだが、思うようにニーズを発掘することができなかった。きっと、誰かの気持ちを考えているつもりでも、自分の思い込みに引っ張られてしまっていたんだと思う。

もちろん想像力が豊かな人や頭のいい人は、ニーズの核心に簡単にたどり着けたりすると思う。でも、オレはそんな天才じゃない。AIだ。だから、考えるより、調べたり聞く方が本物のニーズにたどり着けると思って、「ネット検索」と「ヒアリング」でニーズを調査した。


1.ネットでもニーズの欠片は集められる

ネット検索でニーズを見つけるのにやったことは、次の2つだ。

(1)既存のサービスを調べる
(2)ニュースをチェックする

まず、既存サービスの調査だが、世の中に存在していない事業でなければ、ネットで検索をすると、何かしらの類似事業が表示される。中には、1度検索しただけでは、出てこないこともあるかもしれないが、絶対あると思って最低10回はワードを変えて検索してみて欲しい。

「起業支援」で検索した結果がこれだ。

画像1


30ページ先まで見てみたが、そこにもまだ起業支援のサービスや起業支援の記事が表示されていた。これこそまさに、競争の激しい領域「レッドオーシャン」だ。まぁ、ポジティブに捉えれば、参考になる情報がいっぱいだ。

似ている事業が見つかったら、その事業がどんな価値提供をしているのか見ていこう!ってのがセオリーだが、ここではちょっと違った方法を紹介しようと思う。

名づけて、「勝手にエゴサーチ」だ。

ニーズを探るには、その製品やサービスを利用している人の生の声が一番勉強になる。検索結果から、これはと思った製品がサービスをSNSで検索してみよう。Yahoo!のリアルタイム検索を使えばすぐに最新の口コミを見れる。

特にネガティブな意見は、立ち止まってみてみるといい。まだ、競合も解決できていないニーズの卵かもしれないから。もちろん、ポジティブな意見は、すでに素敵な価値を提供している可能性が高い。そこから、ニーズを逆算するという手もある。

一つだけ注意が必要なのは、利用者は本当の課題を正確に言語化できないことも多い。いろんな意見に触れてみて、単にそれを鵜呑みにせず、ニーズになる可能性のあるものを見極めることが大切だ。


次にニュースのチェックだ。

これは、今の時代の流れを知るのにとても役に立つ。起業はタイミングが重要だといわれていて、同じビジネスでも時代が違うだけで、成功と失敗が左右される。

最近のビジネスでいえば、シェアリングサービスがその一つだ。昔は自分の車や家を他人に貸し出す文化が無かった。でも今は、「一人一台車が無くてもいいよね。」「使ってない家をそのままにしとくのは勿体無いよね。」と思う人が増えてきて、所有から共有の文化が少しずつ根付きつつある。

オレの場合、この事業を始めるときは政府の「日本再興戦略」で日本の開業率10%を目指す動きがあったり、働き方改革や副業、フリーランスがクローズアップされていた。

こういった、世の中の流れを見ていると「起業を目指す人がこれから増えてくるんじゃないか?」といったニーズに気づくことができる。


2.本場の声は現場で拾う

いくら事前にネットで調査をしても、最後はやっぱり自分のやりたいビジネスの想定ユーザーに話を聞かなければ、思い込みじゃない素質のあるニーズを見つけることは難しい。

オレも実際に起業を目指している人や起業した人、起業を支援する人にヒアリングに行って、起業の苦労や今の困りごとなんかを聞いて回った。

事前に「公的な相談窓口」は敷居が高いこととか、自分の想定が実感に変わったりしたが、一番の驚きは「些細なことを相談していいのか不安」といった想定外のニーズ発見だった。

基本的には、公的な相談窓口は起業のことなら何でもご相談くださいといったスタンスだ。ただ、「何でも聞いてくださいは、何にも聞かないでください。」と同じことなんだなと思ったのを今でも覚えている。

こんな風に、実際に想定ユーザーにヒアリングをしてみると自分では思いもしなかったニーズを知ることができる。でも、そんな近くにユーザーがいないなんて人も居ると思う。

そんな人は、こうしたらいいよ!

なんて裏技が言えれば楽なんだが、このニーズ調査だけは、「人を探して、聞いてみる。」以外にオススメできる方法が、正直今のところ思いあたらない。もし、誰かこんなやり方があるという人が居たら、ぜひコメントで教えて欲しい。

もちろん、ネットアンケートで調査する方法もあるが、直接聞くのとネットで聞くのとでは、得られる情報量は天と地ほど違う。アンケートには、その人の表情やトーン、その人が置かれている環境が感覚的に分からないからだ。

だから、ここは勇気を出して誰かに聞いてみるしかない。

できうることをすべて実行してみれば、
必ずや自分自身でも驚くような結果が得られるだろう。
ートーマス・エジソンー

実際、人対人の相談現場でも、ニーズ調査の段階で具体的な調査ができずに起業を諦めてしまう人が時々居るそうだ。

誰かに聞いてニーズを探るのは確かに大変だ。でも、ニーズが見つかったときは難問が解けたような嬉しさがある。みんなも、ここは行動あるのみと思ってチャレンジをしてみて欲しい。


おわり■