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起業する/しないについて考える    #2 就職・転職と起業の特徴

前回は、起業する/しないという選択について、キャリア選択という視点からみた起業について考えてみた。

今回は、具体的なキャリア選択としての就職・転職と起業の特徴について、先輩起業家でキャリアコンサルタントの田所さんに聞いてみよう。

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就職・転職と起業の特徴


就職・転職と起業は、キャリアを築く手段、と言う意味で違いはありません。では、両者の違いは何か?それぞれの特徴を仕事内容、働き方、お金の観点で見ていきます。(図1)

図1 就職・転職と起業の特徴

仕事内容

就職・転職:仕事内容の自由度は低く、企業や部署により大枠の仕事内容は決まっていることが多いでしょう。よって、求人の際に仕事内容はある程度定義されています。

しかし、希望の仕事に就いた後も、会社都合による異動などにより仕事内容が変更になる場合もあります。

一方、組織ならではのスケールの大きい仕事など、個人では難しい仕事に携われる魅力もあります。

起業:仕事内容の自由度は高く、仕事内容を全て自分で決められるため、自分のやりたい仕事を精度高く実現することが可能です。私も起業して自分のやりたい仕事を追求できるようになり、まさにこれが起業の醍醐味だと感じています。

一方、お金の管理や営業など全ての付随業務をやるのも自分です。人に任せたとしても指揮監督は必要なため、仕事範囲はかなり広がります。

 働き方

就職・転職:働き方は企業によって決められています。時間も場所も固定されている企業が多いですが、最近では、フレックス勤務が導入され、自分の都合で勤務時間が決められたり、コロナの影響でテレワークを取り入れる企業も増えてきました。

中には、オフィスを廃止し、完全テレワークに移行した企業や、ヤフージャパンのように、居住地制限を無くした企業もあります。こうした時間も場所も自由度が高い働き方が可能な企業は今のところ一部ではありますが、今後増えていくことが予測されます。

起業:働き方は自由に決めることができます。働く時間も場所も自分の希望通りに設計できるため、在宅ワークをしたい場合はリモートワークの仕事を受ける、自分の都合に応じて働きたい場合は裁量制の仕事を選ぶ、ことなどが可能です。一方で長時間労働になった場合も労働基準法では守られません。

ちなみに、私が起業を考えたのはこの働き方の魅力が大きく、時間と場所に縛られずに働きたいと思ったことがきっかけでした。

お金

就職・転職:年数、役職に応じた給料レンジが決まっている場合が多く、成果報酬がプラスされる場合もありますが、基本的には大幅な上昇は期待できません。

一方で、何事もなければ大幅に減少することも少ないため安定したマネープランを立てることができます。

起業:いくら稼ぐかは事業内容や料金設定など自分がどのようなビジネスモデルにするかで決まります。一方で軌道に乗るまでは収入がほとんどないこともあり、事業内容によっては、初期投資で借り入れからのスタートと言うこともあります。

起業をお考えの方は、最低限必要な収入や資金を算出し資金繰りを計算しておくと安心でしょう。私は起業の際、ファイナンシャルプランナーの知人に、先々のマネープランの変動をシミュレーションしてもらい、最低限目指すべき収入目標を設定しました。

自分のキャリアを築く上で就職・転職と起業のどれが適しているのか、自分がキャリアで大切にしていることを正しく理解して選択していきましょう。

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働き方については、日本政策金融公庫の調査でも、7割を超える起業家が、”仕事や作業を行う場所の裁量”・”仕事や作業を行う時間帯の裁量”について”通常は自分の意向で決められる”と回答している。このあたりは就職・転職とは大きく異なるところだ。

日本政策金融公庫創業研究所「2021年度起業と起業意識に関する調査」

キャリア選択では、どの会社を選ぶかという問題と同じように、起業を選択するか、就職・転職を選択するかということを考える必要がある。

次回は、自分に合ったキャリアの選び方について考えてみたい。

今日も最後まで読んでくれてありがとう!

■つづく

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