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よくある起業相談:キッチンカーの起業で気を付けることは何ですか?

こんにちは。マモルです。

秋の行楽シーズンに入り、商店街やショッピングモールでキッチンカーの姿を見かけることが多くなった。近年はおなじみの光景だ。

起業相談でもしばしば”キッチンカーで起業したい”という趣旨の相談をいただく。

キッチンカーは固定店舗と異なり、お客さんの出入りが多い場所まで自由に移動できるという大きなメリットがある。平日はオフィス街、休日はショッピングモールといった形で売り場を変えることも可能だ。

一方で、キッチンカーでの営業には通常の飲食店とは違った制約もある。今日はキッチンカーで起業を考えるにあたってのポイントをおさらいしておきたい。

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キッチンカーの起業のポイント①:許認可手続

キッチンカーでの起業で最初に気を付けてほしいポイントは許認可に関する諸手続だ。

キッチンカーで飲食物を提供する場合、店舗を構える場合と同様に食品衛生責任者の資格取得と保健所の営業許可が必要になる。さらに料理の仕込みをキッチンカー以外の場所で行う場合、その場所についても同様だ。

また、販売場所として公道や公園を検討している場合、警察署や市区町村の占用許可の手続が必要になるなど、飲食業に関する手続に加えて道路・公有地の占用に関する手続も必要になるケースもあるため、開業前に余裕をもって専門家と相談することをおススメするぞ。

キッチンカーの起業のポイント②:出店場所選び

続いては出店場所選びだ。

キッチンカーはお客さんの需要に合わせて自由に移動できる点がメリットだが、出店場所が固定ではないためお客さんの認知度が非常に重要になる。出店場所選びは現地調査を行った上、慎重に行いたい。

また、ショッピングモールや商店街など、人通りの多い場所には競合相手も集中するためお客さんの取り合いになる。人気の出店場所はテナント料がかかる場合もあり、コスト増の要因となる可能性には留意しよう。

出店場所が決まったらSNSの発信やテナント・周辺地域へのチラシ配布などでお客さんに出店場所を認知してもらうことを忘れずに!

キッチンカーの起業のポイント③:メニュー選び

3つめのポイントはメニュー選びだ。

キッチンカーのメニューと聞くと、焼き鳥やカレーにシシカバブ、クレープやアイスなど、なんとなく定番のメニューが思い浮かばないだろうか。

というのも、キッチンカーは固定店舗と比べて調理スペースが狭く、冷凍・冷蔵庫やコンロ、水回りについて大きな制約を受けるため、現実に提供可能な料理はかなり限定されてしまう、という事情がある。

また、食中毒発生リスクが高いとされる食材を使用したメニューの提供については、そもそも営業許可が認められない可能性もある※。

※営業許可の詳細については営業予定地の都道府県または政令指定都市の保健所にご確認ください。

もし、キミが固定店舗の代替策としてキッチンカーを検討しているのであれば、提供したいメニューが本当にキッチンカーで提供できるかについてはよく調べておくことをおススメするぞ。

キッチンカーの特徴や開業に当たってのポイントついてはJ-net21に詳しい記事があるのでぜひ読んでおいてほしい。

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コロナウイルス感染症の拡大でキッチンカーや移動販売を利用する人は増えたのか?

移動販売やキッチンカーはもともとよく見られる販売方法であり、J-net21の市場調査データによると、移動販売を一度でも利用したことがある人は回答者の約6割に達しており、お客さんにとってはなじみのある販売方法だといえる。

一方で、同調査でコロナウイルス感染症の拡大により移動販売の利用頻度に影響があったかどうかを尋ねたところ、「利用頻度が大きく増えた」・「一時的に増えたが元に戻った」と回答した人(996人中66人)より「むしろ利用が減った」と回答した人(996人中136人)の方が多いという結果となった。

また、今後の利用意向についても「ぜひ利用したい」・「どちらかといえば利用したい」と回答した人(996人中432人)を「どちらともいえない」(996人中409人)および「利用したくない」・「全く利用したくない」(996人中155人)と回答した人が上回る結果となっており、必ずしも直近の環境が追い風にはなっていない可能性がある点には注意したい。

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移動販売・キッチンカーは地域活性化や買い物弱者対策などの社会課題に対応する手段としても注目されており、これまでのイメージとは異なる新たなビジネスとして発展する可能性はあるかもしれない。

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一方で、飲食業の”固定店舗の代替”としてキッチンカーを検討するにはビジネスモデルに相当の違いがある点には気をつけておこう。

キミのキッチンカーに行列ができる日まで応援しているぞ。

~おわり