雪見

「どこかに雪見しに行こうよ」
上京して出来た彼女から、こう言われて、僕ははたと気づく。
雪国育ちの僕からしてみれば、雪を「見にいくもの」と思っていなかった。そうか、雪とは、花見、や月見と同じで愛でる対象だったのだ。

どこがいいかな、と返事をしつつ、日常に溶け込んでいるものへの有難みを忘れてはいけない、と隣の彼女の手を強く握った。


雪見(ゆきみ)

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