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停滞の向こう側 ③

このコラムは
停滞の向こう側 ①
停滞の向こう側 ②
の続きになります。

みなさんこんにちは。気学Style!西島です

自粛が長引く中、いよいよもって様々なものが一つの転換期を迎えようとしています。

今年は庚子の年ですので、様々なものの更新のタイミングでもあります。
これまでの流れをある部分は引き継ぎながらも、これをアップデートしてゆく流れが大前提として存在します。
そうした意味合いにおいても、私たちも新しいものを受け入れてゆく考え方を持つ必要がある、2020年はそんな一年です。

ですが、流されないようには気をつけて行きたいところです。
周囲の状況は今年から大きく変わってゆくかとは思いますが、この状況の中にあって、まず随うのは自分の心です。
変わりゆく環境に対して、いかに上手に対応し自分の志を実現させるか。

これは易が出来た時代から常に意識されている内容でもあります。

それでは、コミュニケーションを主題としてこの先の展望を考えてみましょう。

1) 「接続」のハンディさ・「対面」の重さ

リモートワークをきっかけに、
「その場にいなくてもある程度のことができる」
という感覚はこの自粛期間中に様々な生活の場においてだいぶ浸透してゆくと思います。

それに呼応して、リモート接続サービスの増加や、増加による競争などでサービスの内容自体も短期間で急激に向上してゆくでしょう。
現に、あのGoogleもこのサービスに参入することを表明しています。

こうして、「リモート」が一般的に受け入れられていくようになると、人と画面越しに会話することの手軽さを利用した様々なアクティビティが増えると思います。

現に、仕事や学習のみならず、飲み会などもリモートで行われる昨今。
アイデアにあふれる様々な人がリモートに活動の場を見出してゆくでしょう。

そして、リモート通話システムによって仮想的に人と会うことが楽になる一方で、「リアルに対面する」という「手間をかける」ことに対してさらに重みが増してくるのではないかと思います。


2) 既存枠組みからの解放・仕事と家

リモート接続によるアクティビティに一定の評価が高まってくることで、現在「停滞」とみなされている部分の評価も変わってくるでしょう。

例えば、業種によって、リモートできる・できないは現時点ではまだ別れてきますが、既存の価値観にとらわれることなく考えた場合リモートで仕事を行う利点は多分に存在します。

・(満員電車などで)通勤にエネルギーを消耗されない
・出勤に伴う交通コスト(お金・時間)が軽減される
・ハラスメントが減るかもしれない
・(勤怠管理などを確実にできれば)勤務時間の選択肢が広がる
などなど。

会社としてこれをやる時は勤怠管理の他に現存しない管理体制を考慮する必要もあるでしょうが、これまであったフレックスタイムがよりフレキシブルになって行きそうな印象をうけます。

一方、家のことについて考えると、
「リモートワークで旦那が毎日家にいて面倒だ」

などという声もあるかもしれません。
ですが、リモートワークなどを肯定する声が高まってくると、リモートワークの枠組みでハウスホールドを考え直す方向になるでしょう。

こうして生まれたハウスホールドのあり方は、既存の価値観・枠組みとは全く違う夫婦の協力体制・コミュニケーションを生み出すと思います。

3)既存枠組みからの解放・日常

仕事や家の時間の使い方が全く変わってくると、人の動きも大きく変わります。

会社勤めの頃は

「仕事が終わってから飲み会」

だったはずですが、リモートで勤務している場合、

「朝は趣味の活動をして昼〜夜に仕事をする」

というふうに各自・各日の仕事の余暇時間は全く異なってくるでしょう。
今ではもう廃れつつありますが「飲みニケーション」などはどんどん過去の話になり、会社内での人間関係・人間関係づくりはだいぶ様変わりしそうに思います。

趣味の活動など、日中に参加できる層はこれまでおよそ主婦や学生、リタイアした人たちが多かったところに新しい層が増えてくるのではないでしょうか。

日中に活動する人を対象とする趣味の教室事業などサービス業を行う人たちにとってはターゲットもだいぶ変わってくるのではないかと思います。
ひょっとしたらスーパーなども男性客も意識した売り場展開を行い出したりするかもしれません。

もちろん、これに加えてリモートを利用したアクティビティもどんどん追加されてゆこうかと思います。
特にリモートは場所を選びません。関東発信のリモートライブを関西から見るなど活動可能な範囲はリモートを通じてどんどん広がってゆくでしょう。

既存の時間・行動・場所の枠の概念が変わってゆくことで、これまで接することがあまりなかった層同士の接触時間が増え、新しい価値観やつながりが生まれていきそうです。

停滞していた毎日の活動、その停滞の中から「リモート」をきっかけとしたコミュニケーション変容が現れ、これがネット・リアル両方をドラスティックに変えてゆくというイメージが徐々に浮かび上がってきます。

四緑の新地平

そしてここで前回話題に挙げた四緑木星の存在です。
四緑木星は「通信」というテーマも持っていました。

ところで、皆様は先日SHARPがマスクを一般向けに販売する初日に興味深い事件があったことをご存知でしょうか。

販売サイトに人が殺到し販売サイト自体が機能しなかったのはご存知だと思いますが、この裏でもう一つ事件が起きていたのです。

それは、SHARPのIoT電化製品が機能不全に陥ったことです。

最近は「IoT(Internet of Things)」ということでスマホ通信などで冷蔵庫やエアコンなどの電化製品を外部から管理できる時代になってきています。
これがSHARPのIoT製品を使っている各家庭で一時的にできなくなったそうなのです。

どういうことかという理由ですが、これは販売サイトにアクセスが殺到しSHARPのネットワークが想像以上に込み合いすぎることで、販売サイト以外の他のネットワークシステムにも障害をきたしてしまったというわけです。

さて、通信の混み具合ということでもう少し広く見てゆくと、コロナウイルス感染症で外出自粛が言われるようになってから国内通信量はこれまでの4割増しになっているそうです。

ですがこれはまだほんの序の口でしょう。
遠隔授業などが本格的に開始されれば、通信量はもっと増えてきます。
今の段階でもすでにそうですが、通信の渋滞が発生することが今後懸念されています。

停滞を変えるキーになりそうなリモートアクションがこれから増えてきそうな一方で、通信渋滞の懸念あり。

しかし、通信を担当する四緑は新しい地平を見ている。

この盤面の配合と社会の流れ、私などドラマティックなものを感じてしまうのですが、皆様なにかピンときますでしょうか。


「5G」

昨年より、アメリカや韓国などで実験的に運用され始めた5G。

その肝は超高速・超低遅延・多数同時接続。

映画館で見る2時間の映画、5Gを使えば3秒で手元の端末にダウンロード完了です。

先に出てきたSHARPのIoT問題はじめとする、ネットワーク混雑の問題も5Gを使えば即座にクリアです。

超高速の通信で持ってして、一気に大人数がネットワークに参加しても十分持ちこたえることができて、タイムラグのないリアルタイムの通信が可能になる(海外中継で、日本からの質問にワンテンポ遅れて海外特派員が答えるという、あの間がないイメージです)、それが5Gという通信システム。

ゆくゆくはリモート診療・治療や、自動車の完全自動運転を実現するためのこの技術、オリンピックが開催されていれば今年の夏からオリンピックをメインイベントに商用サービスが始動するイメージだと言います。

これに関連してですが、皆さんもテレビCMで

「トヨタが町を作る」

というものを見たことがあると思います。
ご覧になった皆様は

「え?何のために?」

と思われた方も少なくないと思います。

この「町」は実はある意味5Gに関わる技術をフルに活用した未来都市の実験構築なのです。

全てがネットワークで繋がり、人々が生活を送るリアルな環境のもとで、自動運転をはじめ、モビリティ・アズ・ア・サービス(MaaS)、パーソナルモビリティ、ロボット、スマートホーム技術、人工知能(AI)技術などの導入や検証が行なえる実証都市をトヨタは作って行きますよと言っているわけです。

実際に関係者家族など2000人ほどの方がこの町に住まわれるようですが、どんな町になるのか、私など今の感覚からは想像できません。

このようにトヨタの「町」を始め、5Gが完全に普及してゆくと今ある常識・観念は今からは想像もつかないレベルで完全に様変わりして行きます。

そしてその未来は意外と、近い。

今年はまだ5Gも芽生えの時期かもしれませんが、来年以降、その可能性に人々は驚くことでしょう。

(5G普及については総務省がわかりやすい資料をアップしていますのでご興味のある皆様は一読されると良いでしょう。)

一白水星・四緑木星・庚子、そしてまとめ。

コミュニケーションが変容する革新の年。
つまり、一白水星が八白土星の上にいる今年の状況。

これに加えて5Gの台頭。
すなわち新しい地平に出た四緑木星。

そして年にあっては庚子。

庚は「脱穀」の意味があります。
脱穀は、お米で言えば玄米を叩いて白米にする作用。

つまり、これまでの流れを汲みつつもそれを叩いて洗練し変えてゆく作用。これです。

リモート、あるいは5Gを進めるにあたって、既存の精神論・価値観はもはや前時代のものになりつつあります。
古い価値観を叩いて改め、洗練させた者が先に進めるというのが庚という年の流れです。
(ある意味これまでの膿を出しきって前に進む年とも言えます)

そして、子という十二支は新時代の兆しを示します。
今年のうちははっきり認識できずとも、今年世に出たものは5年先、10年先のスタンダードになってゆきます。

新型コロナウイルスに関する騒ぎが大きい裏で、新しい時代・技術は着々と歩みを進めています。

今ある人と人とのつながりは、新しく出てくる5Gによって新しい時代を迎えます。

今年は、その先駆け。

リモートコミュニケーションに関するサービスはまだまだ創世期のころかもしれませんが、5Gと相まって、今後着実に未来のスタンダードとなってゆくでしょう。

そして話はこの記事の冒頭へと戻ります。

私たちも新しいものを受け入れてゆく考え方を持つ必要がある、2020年はそんな一年です。

技術革新の波がやってくるわけですが、どんな風に対応するかは自分自身が選ぶことができます。すなわち

流されないようには気をつけて行きたいところです。
周囲の状況は今年から大きく変わってゆくかとは思いますが、この状況の中にあって、まず随うのは自分の心です。

大きな変革の流れに、どう立ち向かってゆくのか?

新しいものと、自分の中の価値観をどう折り合いをつけてゆくのか?

時代は前に向かって流れて行きます。

・昔は良かった/あの頃は良かった
・新しいやり方は私の会社に合わない/主義ではない

と、株を守るだけになってしまっては勿体ない。
(庚に照らして行けば、更新なくては前に進めなくなってしまいます。)

そしてまた、唯々諾々と受け入れ、流されるのも勿体ない。

私も今や「昔は良かった」という考え方をする自分に気づくことも多いですが、昔のやり方から今後のやり方へ、上手に変化に随いながら自分らしく生きてゆく方法を探して行けたらと思います。

そして。

今、緊急事態宣言の中本当に苦境に立たされている事業主の皆様もたくさんおられると思います。
今は本当に大変で辛い時期だと思います。

今立たれているその場所・関わる人たちを必死に守るため、言葉にできない苦労があると思います。

そんな皆様にとっては、先の話を考える余裕すらないかもしれません。

ですが業種によっては特に今の感覚では通用しなくなってくる時代は必ずやってきます。

苦境の中、ヴォルガの船引きの絵の中の青年のように、ほんの少しでも顔を上げて未来と希望を望み・考える機会を持っていただけましたら幸いです。


次回の投稿はは5月9日です。





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