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二黒と九紫 今回のデモを考える(展望編)

この記事は
二黒と九紫 今回のデモを考える(現状編-1)
二黒と九紫 今回のデモを考える(現状編-2)
…からの続きの記事になります

興味深いお話ですが、人類は文明が発達する過程で、貨幣や国家・果ては宗教といった「フィクション」を作り、これに従って前に進んできたという一つの論があります。

例えば、宗教について冷静に考えると、神の存在はあくまで想像上のものでしかなく、そういう意味合いにおいてこれは「フィクション」だとするわけです。
が、宗教内において「人間はかくあるべき」との言葉があり、私たちの行動規範はこのフィクションにより出来上がっているとするのがこの考え方です。

キリスト教や仏教などの主要宗教と私たち人間の関わりを考えてみると分かりやすいでしょう。

大まかに言うとキリスト教では、
「罪人は地獄へ落ちる。善きことをした人は天国の門をくぐることができる」
という教えがあります。ゆえに、人は良きことをするわけです。

そもそもの部分においてはこうした教えの根拠は証明のしようがなく、「フィクション」と考えることもできるわけですが、一方、そのフィクションによって人の「善きことをすべし」という規範は強化されている現実があります。

こういう話をしていますと、九星気学などの話もそうした類…となってしまうので身も蓋もないのですが、
それはさておきここで考えてみたいのは、

「差別もやはりフィクションのようなもの」なんだろうなということです。

生きている環境に人類種が適応して肌の色が変わるというのは単純な多様化・適応にすぎず、人間としての根幹部分で変わるところは何一つあるはずはありません。
このコラムでも何度か出てきた言い回しですが、これもただ「有り様」の違いだけなのです。

ですが、肌の色が濃いから、もっと言えば黒いから「よくない」とされること・不当な差別を受けることには何の根拠も見当たりません。

まだ、「見慣れなくて怖い」程度なら話も分かります。
が、黒人を差別するのにいろんな正当性を上げる人たちのお話は、「フィクション論」という考えで話を進めるならば、どうも同じフィクションの一つように感じられてしまうわけです。

こうした差別「フィクション」が早く解消されてゆくことを心から願います。

さて今回は黒人・二黒土星、白人・九紫火星と見た上でこの先の展望を少し覗いてみようと思います。

2020年

まずは今年の動きのおさらいです。

2020年から-05

少し小さくなってしまい恐縮ですが、今年から向こう3年の盤面を掲載しておきます。
二黒と九紫にはそれぞれ赤丸・青丸をつけています。動きを追う参考にしてみてください。

前回までのお話にもありましたように、いずれの星も影を背負っているのが2020年の盤面です。
影に落ちないように慎重に丁寧に歩みを進めて行きたい2020年。

デモからの問題解決は望むところですが、いずれの星も立ち居振る舞いには色々と工夫がいる時期でもあります。
また、2020年は

「過去の悪いところに落とし前をつけてこそ前に進める」

年でもありますから、己の身も省みつつ前に進むという姿勢が必要です。
そうした意味でも、慎重に丁寧に事を進めて行きたい両者です。

ただ単に力で解決する・強引に従わせる…という方法では解決は難しいので、今年はデモへの処し方においてはいずれの星もその度量・智恵が問われる年でもあるといえるでしょう。

2021年

2020年から-05

2021年、二黒土星は北(盤面の下)、九紫火星は北東(盤面向かって左下)へ移動します。

・黒人デモ(二黒土星)

二黒土星のやってくる「北」。後天定位でみると一白水星の位置であり、これまでのコラムでも何度か話に出た「冬の時期」に相当します。

本来、ここに来た時は「心静かに性根を据える」時期であり、動き回る事が是とされる時期ではありません。
様々な意味合いで「思ったように動けなくなる」時期ですので、デモがもしずっと2020年の間続いていたとしても来年の2月以降は「身動きが取れない」という意味合いで静かになってゆくと思われます。

国際世論が思わぬ方向に傾くのか、デモなどに参加している人々の内部で考え方の相違からエネルギーが分散・相殺してしまうのかもしれません。

身動きは取れないが、しかしその状況に苛立つ…という流れもありますので、局地的に暴動や衝突は発生するかもしれません。
が、その衝突が誰の目から見ても真っ当な理由なものでない限りは、かえって身動きが取れない状況を強めるだけでしょう。

デモの動きとして考えた場合、2021年は前に向かって進むというよりも、これから先に向かって決心を固めるという一年。
水面下で差別解消に向けた意識の高まりが強くなって行く一方、表に見える「運動」としては静かになると思います。

そうした状況ですので、

2020年に改めて黒人人種差別に衆目が集まり、世界にアピールはできた。
けれどもデモから派生する暴動などで本当の思いはなかなか伝わらない。
そういう流れの中、2021年はあらためて一旦落ち着いてこれから先に向けて決意を固め、志を新たにする一年。

黒人デモ・二黒土星についてはそんな流れになりそうです。

・白人(九紫火星)

当面の対立構造相手としての白人、この動きはどうでしょうか。

2021年、九紫火星も面白いところにやってきます。
盤面の北東(向かって左下)は、後天定位においては八白土星のいる位置です。

八白土星は停止と変革の星。

白人社会は2021年、大きな変わり目を迎える流れの中にいます。
そして変化には必ず停止・停滞が伴いますから、特に2021年の夏頃まではコロナのせいもあるかもしれませんが、壁にぶつかったように事が進みません。二黒とのにらみ合いが膠着状況に入っている可能性もあります。

こういうところは少し同じ年の二黒土星と似ています。

ですが、夏の終盤あたりからいきなり大きな動きが見えてきます。
八白土星の「変革」は本当に大変化ですので、全く予想がつかない部分があります。

対黒人として考えた場合、いきなり新局面が開ける可能性も大いにあるのではないかと思っています。

なんせ八白の変化は必ずしも意図した方向へ向けての変化ではありません。
黒人を差別しておきたい白人が多数いたとしても、その意図にそわず、黒人との関係改善の方向へ舵を切る可能性も大いにあります。

ですので、白人にとっては

黒人社会との衝突の問題が膠着状態に陥る中、年の後半は思いがけない展開があり、意図してなかった流れの中で新展開を迎える。

…そんな一年になりそうです。


いずれにしても、二黒・九紫の両者にとっては
「物事の流れが止まったり、ゆっくりになったりする時期」
…という意味合いでは似ています。

両者ともこの停滞感・閉塞感をいかに対処してゆくでしょうか。
大きな大自然の流れに乗りきれず、閉塞感の中で鬱憤をを暴発させてしまったとしたら、もちろんその後の流れに乗りきれない可能性もあります。

ですが、希望的観測を込めて書きますが、

来年あたり、白人社会・黒人社会にあってはなにか新しい局面、良い方向への道が見えてくるようにも思います。

これまでの根深い黒人差別が続いてきた中、一夜(一年)にしてその問題が全て解決するとまで言うとさすがに楽観的でしょう。
ですが、その込み入った問題を抱えた両者が、2020年、デモという形で改めてお互いに向き合っています。

そして、この両者はその歴史を体現するかのように、とても複雑な、そして慎重に振る舞いたいデリケートな流れの中にいます。(特に2020年)
デリケートな問題に対する両者ともにデリケートな流れの中にいるという事は、ある意味両者揃ってこの問題を扱える時期にきているという風にも感じるのです。

もし、2020年から2021年にかけて、両者ともにこの問題の舵取りにあたって及第点を取る事ができれば、未来に光が見えるような気がいたします。

2022年

2020年から-05

そして2022年。

良い展開を期待したいですが、とても興味深い年です。

この年、二黒土星は南西(盤面向かって右上)に、九紫火星は南(盤面上)にやってきます。

後天定位の図と比べると、全く同じ配置であることがわかります。
それぞれが本拠地の場所に戻ってきているということで、この年は

「あるべきものが元の場所に収まった」

という風にも言えるかもしれません。

黒人・白人がそれぞれの本来の命の持つあるべき生き方に戻る
…という風に考えてみますと、明るいニュアンスも感じられます。

この頃にはもうデモというよりも、あっても「運動」になっていそうですので、大きく黒人社会として動きを見て行きましょう。

・黒人社会(二黒土星)

いずれの星にしましても、二黒土星の本拠地である南西に来るということは新しい地平にやってきたという事ができます。
悩み苦しんだ2021年。悩んだ挙句に心を決めて表へ出てみると果てしない大地が広がっている。

このように、「可能性」という大地をゆっくりと歩みだす流れがある状況、それが二黒土星の上・南西という場所なのです。

ですので、黒人社会は「新しい可能性」という地平に立ったという風に考える事ができるでしょう。
年の後半、少しバタバタするかもしれませんが、いずれにせよ喜ばしいことですし、そうであってほしいと願います。

・白人社会(九紫火星)

一方の白人社会は九紫火星の上にやってきます。

この場所は2020年の二黒土星がいた場所でもあります。
つまり、衆目を浴びるところです。

思うように進めない停滞からいきなり大きな方向転換をしてやってきた2022年、その大きく変化した九紫火星に皆の注目が集まっています。

黒人社会との大きな関係改善があり、その後の動向に注目が集まっていると考えたいですね。

2022年までの両者の選択が、歴史を巻き戻すようなものにならないことを心から願います。

・両者とも、「ついてゆく」

元来易などにおいては、「大地」は「天」と対の概念のものであり、
「天が陽・大地が陰」を象徴します。
この関係を言い換えれば、「天が主・大地は従」であるという概念を示すものでもございます。

また「母なる大地」とも言うように、大地は「母」。
そして天は「父」となる存在です。

いずれにしましても、大地は先に立って誰かを導くというよりも、誰かに従う性質があります。
縁の下の力持ち・優秀なNo.2の人材…これが大地、つまり二黒土星の本領です。

二黒土星は「付き従う」ことを本領とする、陰陽でいえば「陰」の所属であるのです。

そして、九紫火星です。

九紫火星は太陽もしくは「火」そのものを表す星です。

イメージ的に、「太陽」=「天」を連想しますので陰陽でいうと「陽」のほうかしら…など考えてしまいます。

ですが、

「火・炎は単独では存在できない」

ことに着目していただきたく存じます。

火は単独では存在できないものです。
かならず、木やガスなど、「燃やされるもの」にひっついているはずです。

仮に松明の炎に手を突っ込めたとして、「炎だけ」持って取り出すことはできません。もしできたとしたら、それは「手に火が『ついて』手が燃えている」だけです。

つまり、火の本質は「ついてゆくもの」。

この性質、二黒土星と同じく「陰」のものです。

意外ではありますが、火を担当する九紫火星は「陰」の属性を持っているのです。

さて、振り返って2022年は、二黒土星の上に二黒土星が重なり、九紫火星の上に九紫火星がやってくる状況です。
この2つの星は「相手に従う」という本質を持っていましたが、同じ星が重なることでその「従う」という本質・流れが強調される年になってきます。

で、あるのなら。

黒人社会(二黒土星)は白人社会(九紫火星)に従い、そして白人社会は黒人社会についてゆき…と、お互いに相手を尊重して従いあうような流れの素地が2022年にはあると言えます。

もしそうなれば、とても素晴らしいことになると思いますし、率直に言ってそんな未来を見てみたいと思います。

年の盤面はその可能性もあることを示しています。
本当にそうなってゆけばと思いますが、楽観的過ぎますでしょうか。

黒人社会が武力で白人社会に従わせられる・白人社会が黒人社会の暴力で従わせられる、そんな風にならないことを祈ります。

そしてその先へ

いずれにしましてもそんな2022年を経て、黒人・白人社会とも、2023年からまた新しいそれぞれの冒険へ旅立ってゆきます。
新しい世界の姿がはっきりと形になってゆくにはまだそこから数年かかると思いますが、その時、
「2020年の今がそのきっかけであった」
…と感慨深く振り返ることになるのではないかと思います。

二黒土星と九紫火星の世界は大きく変わって行こうとしています。

もっと大きな流れで見れば、

新しいミレニアムになって、五行でいうと時代は「火」の時代から「土」の時代になったとされています。
人種的に考えた場合、「火」はもちろん白人ですので、白人主導から「土」…すなわち黒人などの主導する世界への変化はすでに幕を開けているということです。

この流れを示す象徴的な事件は、バラク・オバマ氏のアメリカ大統領就任でしょう。
今年のデモもその流れに沿って起きてきているものだと考えることもできます。

時代の流れは少しずつ、ですが確実に変化して進んで行きます。
新しい流れの元、今の世界がより素晴らしいものになることを心から祈りたいと思います。

そして、この大きな流れの変化の中にあって、私たち・あるいは私たち日本人はどのように立ち回ってゆくべきなのでしょうか。

今回のデモからの一連の黒人・白人の流れは、直接的に私たちの生活に大きな関わりはまだないかもしれません。

ですが、新しい時代へ向けて、ほんの少しでも何か新しいマインドを持ってこれからの変わりゆく世界を楽しみながら・考えながら歩んでみたいなと思います。


次回の更新は7月2日です。


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