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二黒と九紫 今回のデモを考える(現状編-2)

この記事は「二黒と九紫 今回のデモを考える(現状編-1) 」の続きです。

前回は2020年における二黒土星(黒人)・九紫火星(白人)の基本的な傾向について見てきました。

この前の「What is 運気」シリーズでもお伝えいたしましたように、二黒土星・九紫火星をはじめとする各星の運気はそれぞれに異なった流れを迎えています。
流れに個性はあるものの、その良し悪しは論ずるものではない…というお話を折々いたしておりますように、2020年、二黒土星も九紫火星も今年は基本的に悪い年ではありません。

ただ、今年は二黒土星は破壊殺を、九紫火星は暗剣殺をもっております。
こうした凶要素は、言い換えれば「影」ですので、今年この両者の星は
「ダークサイドに落ちないよう気を付けましょう」
というもう一つのテーマがあります。

前回の話を踏まえて、もう少しだけ盤面を見てみることにいたしましょう。

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二黒土星の下の九紫火星

前回のお話でも少し触れましたが、後天定位において九紫火星のいる場所に2020年は二黒土星が来ています。

この状況は2つのことを示しています。それは、

1)2020年の二黒土星はある意味九紫火星に支えられている
2)二黒土星についている破壊殺は下の九紫火星にもその影を落としている

…ということ。

デモが拡大している国々を見てもわかるように、今回のデモは白人社会がベースにあってその中で様々に迫害を受けてきた黒人の想いが吹き出した形のデモという形です。
ある意味見たままの構図ではありますが、この意味合いの中にあって、今回のデモについてはこれまでの黒人に対する問題が明白になってくる中で白人サイドから共感をうけたり支援者が出たりなども結構あるのではないかと思います。

また、こうした意味合いにおいて考えて行きますと、これまでの黒人と白人の歴史の中一つの到達点として発生した今回のデモ、
世界が黒人に注目する中で、やはりこの問題の解決を提示すべきはよくも悪くもここまで社会のベースとなってきていた、白人サイドではないかと思います。

これが一つ目。

そして2つ目、それは、破壊殺の影は九紫火星にも落ちているということにも注意しておきたいということです。

2020年、暗剣殺を持っている九紫火星ですが、実は破壊殺のニュアンスも同時に所持しているというわけです。

そういう状況ですので、二つの影を持っている九紫火星としては、デリケートな案件に対しては特に慎重に対応したいところです。
一つ対応を誤れば、騒動を鎮火するどころか火に油を注ぐことにもなりかねません。
これについては実際すでにトランプ大統領が「やってしまった感」がございます。

元々2020年は生きる喜びを担当するとも言える七赤金星の上にいる九紫火星です。そこに暗剣殺が付いていますから「剣を振りかざす・争う行為は『くれぐれも』自重」する学びの上にいるといえます。

そんな九紫火星にさらに破壊殺の影がさすものですから、ちょっと頑張ってみても時には思うような結果を得られず、いらついて剣を振るいたくなってしまうこともあるかもしれません。

ですが、そのやりづらさの中を柔らかく・優しく進んで行くことで最終的にはかなり大きな学び・成果が得られるのが今年の流れです。

「今よりも少しでも皆が幸せな未来を目指し、悲しみをいかに喜びに昇華させるか」

デモを扱う白人・九紫火星としては丁寧に丁寧に、慎重に慎重を重ねて、これを狙って行って欲しいのです。

明夷(めいい)と睽(けい) 易の観点から

全世界的に広がった今回のデモ、実際に何でも、少しでも、一歩でも良い方向に世界が動けばと思います。

ですが、これまでの歴史を踏まえつつ考えた場合、なかなかこのデモの行く末も一筋縄では行かなそうにも感じます。
実際にそれぞれの持つ今年の易の卦の形もそれを語っているようです。

易の話でもう少し掘り下げてみましょう。

二黒土星と「明夷」

まず、2020年の二黒土星は易でいうところの「明夷」の卦を持っています。

前回のコラムでも書いておりましたがこの「明夷」という卦は、うちにある光がなかなか表に出てこないという形です。

「Black Lives Matter」の声を背負って始まった今回のデモ、黒人のみなさんが社会において本当に本来あるべき姿で生きて行けるようになるように…というコンセプトであったと思います。

ですが、このデモの拡大の過程において、デモの運動は暴動へも移り変わっている部分があります。
実際、ニューズウィークなどのサイトでは今やこの「デモ」は「全米暴動」の見出しにて扱われてしまっています。

確かに、デモがデモという形のまま徹頭徹尾推移するのは難しいところもあるでしょう。
これまでの鬱屈を背負いながら、正しい道に向かいつつもつい無軌道になってしまう人たちも出てくることは心情的にわかるところもございます。

ですがひとたび「暴動」とレッテルを貼られてしまいますと、本来伝えたかったこと…即ち行動の中にある純粋な光の部分がそのレッテルによって覆い隠されてしまいます。

先に述べたように破壊殺が付いている二黒土星。
思ったように進まず、試行錯誤しながら進む道のりに歯がゆくかじられるところもあるでしょう。ですがその中で自棄を起こしてしまいますと、本来持っていた光、即ち本当に伝えたかったこと・見せたかったことは表に出てきづらくなってしまいます。

今のデモの状況はまさにそれに近い感じも致します。

自棄になって暴力へ走るのか、正しさ・智慧の光を隠せないほど明るくするのか。今年はそれが二黒土星の見せ場なのです。


九紫火星と「睽」

これに対して九紫火星は「睽」という卦を今年は持っています。

「睽」とは「そむく」という意味合いですが、目と目を合わせて睨み合っているという風に考えていただいてもいいでしょう。

つまり、今年の九紫火星は相手と睨み合いになりやすい部分があるということです。

そうなってまいりますと、今年の九紫火星は最悪「暗剣殺つきで睨み合いになる」という状況が発生してしまいますので、ほんとうにダークサイドに落ちないよう丁寧に歩んで行きたいのです。

そしてこの「睨み合い」、実は「睨み合いの向こう側」がございます。

睨みあうその向こう、あるいはその奥には、実は

「睨みあう者同士で実は目的は同じ」

であることも、この「睽」卦は語っています。

例えばつまり、

「同じゴールを目指しているが、方法論が異なるので対立してしまった」

ために「睽」という睨み合いの状況になったというわけです。

ですので、睨み合いはしても「本来その相手は敵ではない」ことを覚えておきたいのです。

今回のデモを簡略化して黒人対白人という図式にして考えてみた場合、この対立している両者ともに、つまるところ

「安心して平和に生きられるようになりたい」

という共通の思いがあるのではないでしょうか。

そう考えた場合、ゴールは同じなのです。

ですが、そのゴールを実現するための手法が異なる、もしくは状況や相手をよく理解できていないために「今のところ」睨み合ってしまっているのが今の状況ではないかと思うわけです。

睨み合いから、対話へシフトするのか、暴力へシフトするのか。

ここからが九紫火星の見せ場です。

…それぞれの星が選択する道はどちらなのでしょうか。

Scatman's world

これからの未来へ向けて、肌の色など関係なく皆が幸せに生きられる世界に…という願いは基本的に皆が持っていることだと思います。

こういう話をしておりますと、今は亡きスキャットマン・ジョンを思い出します。日本にも来日したことのあるスキャットマンですが、当時は「面白い歌を歌うおじさん」として日本でも注目されてテレビに出たり、一時期カネボウでしたかのCMに自分の歌とともに出演されたりしていました。
ですので彼を何となく覚えておられる方も多いかと思います。

そんなスキャットマンですが彼は自分の歌、「スキャットマンズワールド」でこんな風に歌っています。

Scatman, fat man, black and white and brown man tell me 'bout the colour of your soul

強めにデフォルメして意訳すると、

吃音の人・太った人・白・黒・茶色い人…っていろいろいうけれど、で、君の魂の色は何色なの?

…という感じでしょうか。

要は、

肌の色や肉体的な特徴はいろいろあるけれど、一皮むいて魂だけになればみんな一緒でしょ?

ということです。

面白げな独特のラップ風の歌で一世を風靡したスキャットマン、英語がわからないで聞いている分には「楽しげな歌詞だなぁ」と思って聞き流してしまいます。が、じっくりその歌詞を読むとその内容はわたしたちの目指す、あるべき姿を歌う歌でもあったのです。
(*最後に動画リンクなど貼っておきます)

こうしたスキャットマン・ジョンの歌をはじめとして、みんなにとっての平和な行く末を願い、歌ったものは数多くあります。
そしてまた、スポットライトの当たる舞台以外で一般の白人の中にも現状についておかしく思い、今回のデモの趣旨に賛同する方もおられるでしょう。

ですが今回のデモを有意義に収めたいと思ったとしても、これまでの黒人と白人の歴史の中には本当に様々な事件があり、改めて一筋縄で解決するものでもないでしょう。

そんな背景の中にあってデモ・あるいは「人種差別」というテーマを通じて相対する両者を見ていると、今年はまさに双方がその重い歴史をとこれから先の未来をどうするかという問題を突きつけられているような、
それぞれ細心の注意を払って取り組むべき大きな学びの時期にいるとも言える一年であるようにみえてまいります。

2020年、この人種差別という問題においては黒人・白人とも思ったように行動して流れをつかめるという簡単な状況ではありません。

いかに丁寧に、そしていかに光にむかってゆけるか。
流れを掴むには忍耐強く、地道に、丁寧に歩んでゆく必要があるのです。

ニュースの紙面に踊る暴動・武装鎮圧という言葉。
我が道を通す手段でもあるこうした激しい言葉の裏に、宇宙の流れは真逆の姿勢を求めています。
その姿勢へは簡単にチェンジできるものでもないでしょう。
ですが、だからこそ、得るものも大きく、学びも深いのだと思います。


2020年、庚子七赤金星の年。
今年、前に進むためには今までの流れに一つの落とし前をつける必要がありました。

穀物の脱穀をするように、叩いて古い皮を落とすことで新しい時代が開ける年。そういう意味では2020年は私たち自身のアップデートが必要な年とも言えます。

庚の年は、「古いやり方は通用しない・先が開けない」そんな年です。

白人が武力で鎮圧する様、黒人が暴動する様、すべて世界が見守っています。世界の世論にその様が叩かれた時、どのような動きがあるか非常に興味深く感じられます。

叩かれて成長するのか、叩かれて反発するのか…。

今回は黒人・白人と簡略に見てまいりましたが、2020年はっといえば私たちの持っている人種意識そのものが変わってゆくきっかけになりうる年でもあるかもしれません。

これまでの歴史を背負いながら新しい時代への転換点となるであろうこの一年。今回のこのデモの行く末もしっかり見て行きたいと思います。

次回は、簡単ですが、「展望編」といたしましてこの両者の持つ星、二黒土星・九紫火星の今後の展開を展望してみたいと思います。

どうぞお楽しみに。

YouTubeより「Scatmans World (Official Video) HD -Scatman John」

簡単な歌詞の和訳はこちら


次回は6月26日更新です。


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