矛に埃
人は誰しも矛を持っている。
もしかすると槍かも、いや刀かもしれない。
薙刀なんかもありうる。
どれにしても人を傷つける術を皆それぞれ心得ている、武器を持っている。
同時に人は誰しも他者の矛に血を流した事がある。家庭で、教育で、社会で、
食卓と居間、寝室で、教卓と机、階段で、デスクと個室、画面上で
人の矛に刺される度、血を流す彼らの皮膚は昨晩潰したニキビのようにポコっと音を立て、平たい肌の波にトゲを荒立てる。
赤く腫れ、自らの肉体を侵すまいと炎症を起こし、熱を持つ。時が経てばゆるやかに腫れはひき、後には気にならない程の跡を残す。
それが
他者の肌を刺す。家庭で、教育で、社会で。
刺された彼らは、
そんな繰り返しが起こっているような、
そんな気がしてならない。
だからなんだって話か。
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