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TVで育った私たちは

小さな頃からTV好きだったと両親から聞く。
「おかあさんといっしょ」や「みんなのうた」、
主人公の女の子が魔法のステッキか何かで素敵なお姉さんに変身するアニメ、
「世界名作劇場」なんかもぼんやり覚えている。

TVに向かうと両親が何を言っても全く聞かず
全神経をTVに向けていたらしい。

なので両親は私を「耳が悪い子」と思っていて、
私もそう言われ続けていたので「自分は耳が悪い」と思っていた。

…まぁ今も“聞きたくないこと”は聞こえないふりをするので、
当時から変わっていないともいえる。

小学生になると「とんねるずのみなさんのおかげです」を見ていないと、
翌日クラスの会話に入れなかった。

中学生のときは“トレンディードラマ”が大ブームで、
クラスのませた女子たちはこぞって雑誌の切り抜きを持ってきてはワイワイやっていたなぁ。

そんな中、私は台湾発の「幽幻道士」シリーズにハマるなど、
TVは暮らしの真ん中にあった。

高校生になると音楽番組が中心に。
「ミュージックステーション」はもちろん、
TVKの「ミュージックトマトJAPAN」で若手バンドを発掘するのもルーティンだった。

大学生になるとTVから離れる。
楽しいことは外に多かったからだ。
ほとんど家にいなかった記憶。

社会人になって流れ流されているうちに、
図らずもTV局に出入りする仕事に就いた。

ドラマやバラエティーの制作現場に立ち会う。
既にTVの視聴率は20%いかない時代になっていたけれど、
制作スタッフは愛情込めて全力で制作していたし、
カメラに映らない“こちら側”にいるスタッフの多さにはいつも驚いていた。

面白いのにヒットしない番組は、始まっては終わっていき、
切ないなぁと思っていた。

番組収録は早朝も深夜も土日祝も関係ない。
それに合わせてはちゃめちゃな生活を送っており、
3年半ほどしか体(と心)が持たなかったけれど…。

今振り返るとめちゃくちゃ貴重な時間だったなぁと思う。

小さい頃夢中で見ていたTVに出ていたタレントさんや俳優さんに、
インタビューしているときは、不思議な気持ちになったなぁ。

TVをまた、見るようにもなった。
(カメラの“向こう側”にいるスタッフのことを考えながら)

結局今もTVに携わる仕事をしている。
(現場には行っていない)

放送の時代から、配信の時代になり、
「あの番組を見たいから帰る」なんてこともなくなった。

好きなときに好きなものを好きな場所で見る時代。
便利になったものだなぁと思うけれど同時に、
全集中して番組に向かうこともなくなった気がする。

TVが濃密だった時代はもう帰ってこないだろうなと思うけれど、
あの頃のTVは本当に面白かったし、その時代を知っていることが少し誇らしい。

微力ながらTVにかかわる者として、
全力で応援していきたいと思います。

あれ、何の話だっけ?

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