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謙遜は美徳ではなくモヤモヤの種

先日、日本に住む友人から「子供を褒められたら、“いえいえそんなこと…”って謙遜しなきゃいけない雰囲気があるのが心苦しくて…」と電話がかかってきました。

子供の前で「いえいえ、そんなことないですよ」って言いたくないけど、言わないと角が立つし、協調性も崩したくない。

私はスペインに住んで6年が経ちますが、まわりのスペイン人は見事なほどに子供を褒めちぎります。人前であっても、どこであっても。

言葉の持つ威力

スペイン人は、自己肯定感が高いです。

もちろん人にもよるだろうし低い人も中にはいるだろうけど、ありのままの自分を受け入れ認めている、自己肯定感の高い人が多いと感じます。

私が思うにそれは、親が子供に使う「言葉」の影響が関係しているように思います。

例えば、スペイン人は子供に声をかける毎に「MI AMOR(私のいとしい子)」を連発。子供が褒められたら「そうなの。この子すごいの!」と堂々と子供を褒めちぎるなどなど。

小さい頃から、私のいとしい子…私の宝物…かわいい子…美しい子…最高…とずっと呼ばれてきたら、それはそれは見事な「自分が自分であることを誇る・自信」が出来上がると思うのです。

謙遜は美徳ではなくモヤモヤの種

私も1度、当時4歳だった娘の前で、娘を褒められ「いえいえ、そんなことないですよ」と謙遜してしまったことがありました。

その瞬間、私の気持ちはモヤモヤし、「どうしよう…この子が私の褒める言葉を信じられなくなったら」と不安が頭を駆けめぐり…。

夜、娘が寝る前に、「ごめん。ママね、あの時人の目を気にして思ってもないこと言っちゃった。本当はすごいと思ってるからね」と素直に伝えたんです。

「うん、大丈夫。分かってるよ」

娘が菩薩にみえました。

そしてこの日、私は「謙遜は美徳」を卒業しました。

そうなんです。この子最高なんです!

いえいえ、そんなことないです…たいしたことないです…って答えてる人でも、心の中はそんなこと思っていないんじゃないかな。

謙遜をすることが暗黙の了解になっているだけなんじゃないかな。

「いえいえ、そんなことないです」の代わりに「そうなんです。この子最高なんです」が暗黙の了解になると、きっと未来は素敵だろうな、と思うのでした。

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