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副腎疲労と摂食障害③

前回は過食症と関係の深い、"機能性低血糖"について書きました。
今回は、分子栄養学を学ぶことで起きた変化の始まりについて。

せっかく、健康的なダイエットに成功し、運動も大好きになって、これでやっと長年のダイエットから解放されると喜んでいたのも束の間。
原因不明の体調不良と急激な体重増加で、もうどうしていいのかわからなくなりました。


毎晩、気絶するように眠りにつくのに、2、3時間後、目の奥、肩や首、後頭部の痛みで目が覚めて、寝汗も酷かったです。
痛い。眠れない。辛い。


メンタル面も、もちろん落ち着かず、睡眠不足が続いていても、気が立って昼寝もできないような状態が続いていました。



メガビタミン療法をきっかけに、サプリオタクになっていたわたしは、栄養素が足りていないから、こんなにしんどいんだとばかりに、良いと聞いたサプリは片っ端から試して、当時ものすごい量のサプリを飲んでいました。

今考えると、体調が悪くなっている根本原因は置き去りで、サプリの栄養で症状を誤魔化しているだけでしたし、どれだけ良い栄養素でも、代謝するのはほとんどが肝臓なので、あの量が悪影響なのは明白です。

でもその頃は、王道のダイエット+メガビタミンで健康的に痩せられたと思い込んでいたので、飲まないという選択肢はありませんでした。


そしてある日、疲れ切った身体で、また闇雲に運動をしていた時、ふと鏡に映る自分のブヨブヨな体を見て、血の気が引きました。
この食生活で、この運動量でこれ…?


そして、半ば衝動的に、ツイートやブログでファンになっていた、分子栄養学の先生のカウンセリングに申し込みます。


数ヶ月間、どれだけ痛くても眠れなくても、我慢をしてきたのに、見た目の醜さには耐えられなかったんですね。


わたしの話を聞き、わたしの姿を見たその先生のカウンセリングは、栄養がどうとか、痩せるがどうとかいう次元の話ではなく、生き方そのものを考えさせられるきっかけを与えてくれるものになりました。


そしてその先生との出会いをきっかけに、わたしは本格的に分子栄養学を学び始めます。


学びを始めるにあたり、まず自分の体の状態を知るために、様々な検査をしたのですが、そこで自分が
"副腎疲労"という機能障害があることを知ります。


病院で血液検査をしてもオールA。
どこも悪くない。病気じゃない。
でもこんなに不調がある。
原因はないはずなのに、痛み止めや睡眠薬を出されて、それを飲んでしのぐなんて絶対に嫌でした。
だから病院には頼りませんでした。



病気じゃないのに、どうしてこんな症状が出るんだろう。
自分の身体はどうなっているんだろう。
知りたかったことを知れて、わたしはホッとしました。



そして何より、長い間苦しんできた過食症には、ちゃんと原因があり、意味があり、もう自分を責めなくて良いんだということを知れただけでも、とても救いになりました。


そこで前回↓書いた、機能性低血糖という言葉を初めて知ります。

酷い疲れが取れない。
運動をしても筋肉がつかない。
夜眠れない。
目の奥や首肩の痛みで目が覚める。
頭痛や寝汗。
心臓を叩かれているような動悸。
アレルギーがある。
PMSが酷い。
やる気が出ずに落ち込む。
食べていないのに太る。


こういった不定愁訴の原因がわかり、ホッとしました。



しかし、"知れた"だけでは、体調は回復しないので、学びながら治療を開始します。


わたしが師事する先生は、ドクターでもあるので、その先生に副腎をサポートするサプリなどを処方してもらいましたが、治療の基本は生活習慣なのです。


いくら良いサプリを飲んでも、食事内容や食べ方が良くないと不調はなくなりません。
また、睡眠時間が確保できない、強いストレスを感じているなども、治療の妨げになります。

 


わたしも最初のうちは、低血糖のケアもうまくいかないし、サプリも思ったほど、効いてこないということがありました。


なぜなら副腎疲労の治療の基本は、
"自分を労わること"だからです。


こんなことがありました。


治療の順番は、まずは低血糖を起こさないようにすることなので、食事と食事の間に"補食"を摂ります。
"補食"とは、甘いおやつではなく、まさに栄養を補うために摂るものです。

特に、夕方は血糖値が下がりやすいので、下がり切ってしまう前に補食をしなくてはいけません。

しかしわたしは、職場の周りの目が気になってしまい、
みんなもこの時間、お腹が空いてるのに自分だけ食べられない…食べにくい…となって食べなかったり、
口に入れたひと口おにぎりや、干し芋ひとかけらを早く飲み込もうとして、きちんと噛まなかったり。
もしくは、忙し過ぎて、その場を離れることができず、つい食べないままで時間が経ってしまうことが多々ありました。


その事を栄養士の先生に相談すると、
『病気の治療のために、仕事中に薬を飲まないといけない人に、自分だけ飲んではダメって言う人がいますか?
補食は治療のために摂るものですよ。』
そう言われて、本当にハッとしたと同時に、何故かとてもホッとしたのです。


自分の身体の辛さよりも、人目を気にしている自分に気づかせてもらえて、そこから解放されていいと言われてるような気がしました。


その栄養士の先生から、その後も補食に対して、的確なアドバイスを受け、わたしの体調は飛躍的によくなります。


"低血糖を防ぐこと"
が、心身共にどれだけ重要かを身をもって知ることができました。

本当に不思議なくらい、気持ちが落ち着いているのです。

慌てることが減って、ドンとしているというのでしょうか。
良いことしかなかったです。


そして、衝動的に起こる過食の欲求も、この低血糖状態がトリガーになります。
恐ろしいですよね。

ガマンできない自分が悪い、ダメだと思ってきたけれど、とんでもない。

命を守るための生理的な反応です。


では、補食をきちんと摂り、低血糖さえ起こさなければ、全て解決かと言うと、そうではないのです。

治療過程のピラミッドがあるとしたら、低血糖を防ぐことは一番下の部分。土台です。
土台がグラグラでは治療はうまく行きません。


低血糖を防げるようになると、次の段に上ります。

わたしの場合は、次の治療は腸カンジダの除菌でした。
カンジダってよく聞きますよね。
女性の膣カンジダは有名ですが、実はこの菌、腸にも常在菌として住んでいます。

普段は良くも悪くもない普通の子なのですが、腸内環境が悪化するとグレ始めます。めちゃ悪い子になって、厄介なことを巻き起こします。

…また長くなってしまいました。
グレたカンジダ氏がどのようなことを起こすのか、過食とどう関わりがあるのかは、また次の機会に書きたいと思います。 

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